猿後家 公演情報 公益社団法人日本劇団協議会「猿後家」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度

    猿も木から落ちる
    個人的に注目している若手クリエイター、ロロの三浦さんとBaobabの北尾さんとのコラボレーションでしたが、小劇場演劇の「ダサい」部分がそれを相対化する意図のないままに舞台に上げられていて、ただ賑やかな学芸会の様な雰囲気となっていしまい、期待外れな出来でした。

    「猿」という言葉を聞くと激情する、猿に似た顔の後家さんと周りの人達のやりとりを描いた落語の『猿後家』を元にしていて、猿好きな男が後家さんのことを人間としてではなく猿として愛し、長らく人から愛されることが無かった後家さんもそれを受け入れるという歪んだ関係が描かれていました。最後には後家さんは人間として生きることを選び、束の間の幸福を捨て、自身の尊厳を大切にする姿が印象的でした。

    寒いギャグや駄洒落が多く含まれた脚本をベタに表現していて、滑っているという状況自体を形として見せるメタな表現になっていなかったので、ただ滑っているだけの様になってしまい、微妙な空気感が漂っていました。
    脚本での指定か演出上のアイデアか分かりませんが、後家さんを3人1役として、ほとんどのシーンで3人に同じ動きをさせ、台詞は場面毎に1人ずつが受け持つという趣向(「見ざる・聞かざる・言わざる」繋がりでしょうか)が、ストーリー的にも演出的にも効果的に使われていなくて、とりあえず変わった事をしてみましたという風にしか見えなかったのが残念でした。

    山並みのシルエットピンクに黒で「MONKEY」と大きく書かれた壁に囲まれ、奥が一段上がっているステージで所狭しと大勢で踊る群舞シーンは迫力があって格好良かったのですが、物語の中にダンスシーンを入れる必然性が感じられませんでした。特に最初と最後に全員で踊るのは古臭さを感じました。

    男性陣は台詞回しや動きに存在感がある人が多かったのに対して、女性陣は印象に残る人がいませんでした。

    0

    2013/12/14 16:06

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大