観客次第のambiguous な作りの作品に
シェアハウスで共同生活をする現代の社会になじめない者達(ワニ、鳥、魚たちも含め)のまさにその生活の崩壊を描いた作品で、冒頭のコントのような導入や登場人物たちの設定はどうかなという気はするものの、現在のある殺人事件が昔の殺人事件とともに各々の中にしまわれていたマイナスの感情というべきものを呼び起こしそれが絡み合い衝突してゆくさまの描き方というかみせ方は(私自身はなにか自分の心の底を覗かれているようで苦手なのですが)実に精緻で、また人間心理の描写についてもフロイトとルイスの対話劇「Freud's Last Session」の影響が少なからずあるようにも見受けられました。