FT13 公募プログラム「地雷戦 2.0(薪伝実験劇団 [ 中国 ])」 公演情報 フェスティバル/トーキョー実行委員会「FT13 公募プログラム「地雷戦 2.0(薪伝実験劇団 [ 中国 ])」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    今年No.1
    まだ2013年終わってないけれど、これに決めた!

    もしいつか中国と戦争になったとしても、自分はこの劇団が中国にあることを忘れない(笑

    演出ばかりに注目が集まって、中身が空洞化しつつある昨今、
    描き方は多少古典的かもしれないけれど、
    市井の人たちに話しかけるには、この位分かりやすい方がちょうど良いのかもしれない。

    「実験」を敢えて封印したのかな?

    だとしたら凄い決断だと思う。

    テクニカルなだけで、中身の伴わない空虚な演出よりよほどいい。

    演出だけを取り上げて、ありきたりな手法とか一括りにする識者の意見はもう聞き飽きた(苦笑
    (すべての演出はおそらく何千年も前に既に出尽くしている、というか昔の方が発達していたのかも・・

    直球上等♨

    主宰や役者が真っ直ぐで良い奴なんだということが、見ていてよく伝わった!

    こういう時には、そういうことが最も重要なんだよなぁ・・(苦笑

    ネタバレBOX

    「のらくろ」を思い出した。

    戦争って、ナニ?
    ともし言われれば、
    それは、歴史を見れば明らかなように、
    そこここの街角にいる愛すべき人が、二十歳になったばかりの青年らが、
    虫ケラのようにカッコ悪く肉片になる
    巨大な屠殺場をこの世に出現させることのように思われる。

    裏道の、趣味でやっている刺繍入りの服を売るお店の70過ぎのおばあちゃんの
    ただ一人の息子が、戦場で将校の息子の盾になって死にましたという報告と共に
    体中他人の両手両足を縫い付けられた状態で帰還する光景を想像すれば良いのかもしれない。

    弱虫だったり勇敢だったり、不注意だったり、慎重だったりする人間たちの、
    数えきれない無意味な死の積み重ねと言えば良いんだろうか?

    女性らに、戦場で粉微塵の肉片にする子どもたちを
    大量に生み育てることを奨励するということかもしれない。

    憎しみを植え付けられた敵国には、
    自分たちの国を滅ぼしに来る鬼のような人しか住んでないと思わせられることかもしれない。

    でも、そんな国に住んでる人たちもやっぱり人間で、家族がいて、
    いや、例え天涯孤独であったとしても、同じように人生の中を彷徨っている
    似た者で。

    そんな当たり前のことが分からなくなるということ。

    この作品は、役者や演出家で話し合って、
    無骨であっても、分かりやすい物語を目指したことがよくわかる。

    人間が惨めに死ぬのが戦争だということを伝えようとするから、
    北京でも検閲に掛かってしまう。

    補助金も興行収入も手に入らない道を敢えて選ぶ。

    こういった時代には、そんな勇気が、どれだけ大事な事か(苦笑

    アフタートークも聞いて、自分はこの劇団と作品がとても好きになった。

    素晴らしいといわなくても、
    「私はこの作品がとても好きです」と言えば、それで十分だと思う。

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    2013/12/06 23:45

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