『アルゴス坂の白い家』 公演情報 平成23年度日本大学芸術学部演劇学科舞台総合実習ⅣA「『アルゴス坂の白い家』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    キャストBを観劇
    意識が高く、川村毅氏の演出に喰らいついていった大学生たちの姿(役者もスタッフも)が素晴らしかった。

    ただ、そのプロ志向の感じが、良くも悪くも、、、。

    ネタバレBOX

    学生が演じているということを考えると、極めて高い水準の芝居だったと思う。

    ただ、作・演出がプロの基準で作られていたので、
    観客としてもその基準で観てしまった。
    そう観ると、正直、演技が弱いなと感じてしまう部分が多々あった。

    学生を育てる公演としては、素晴らしいものだと心から思う。
    最近は、高い意識を持って作品制作に臨む若い世代が減り、
    手近なテーマとやりやすい演技を基に作品創りをする人が多い。
    そんな中で、やはりプロの基準はここなのだということを、今後の演劇界を背負っていく学生に示すことは、極めて有益なものだと思う。
    学生にとって、こんな幸運なことはない。

    ただ、いち公演としては、やはりプロ予備軍の芝居という印象。

    純粋な観客としては、逆に、
    プロにはできない、学生にしかできない強度を持った芝居が観たかった。

    内容としては、劇中劇的構造の芝居。それも、ギリシャ悲劇を基にしつつ、それが変異した物語が展開され、とても複雑な構造になっている。更に、そこに今の(または初演時の)日本が抱えている問題と、家族というものが持つ普遍的な問題も重ねられていることで、その意味はさらに多様化している。
    構造的にも、意味内容としても、何重にも層が重なって世界が構築されているという印象。

    エレクトラ役:鶴田理沙さんの存在感と
    ヘクトル役:渡部太一さんの演技が印象に残っている。
    渡部さんの演技を見るのは今作で3度目。どんどん力を付けていると感じる。

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    2013/12/01 10:40

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