満足度★★★★
「読後感」ばっちり…!
江戸川乱歩を小中学校時代に読み漁っていた私としては、もともと「大人目線から見た乱歩」をどうにか時間を見つけて自分の中に構築したい、と思っていた。だから、「宿題やりなさい」と言われて、「今やろうと思ってたのに!」とふくれる小学生のような気分になった。…と、それは個人的な事情だが、文系バリバリの台詞と世界観に溺れるのは本当に気持ちいい。乱歩と横溝と夢野久作が知り合いだった、という事実も何故かうれしいし、その3人ばかりでなくその登場人物まで絡んでくる贅沢。また、変に怪奇趣味に走らずに、ちょっとした幻想でとどめた演出も奥ゆかしく、好感が持てた。