満足度★★
ストイシズムと逞しさ
セシル企画に遊びに行くのは3度目だ。
今までと全く違ったのは「中学生棺桶」と「ハニカム」という
本当にカッコいいバンドが2つともステージに立たなかったこと。
圧力が弱い。眠い。ヌルイ。
ストーリーの端々でモザイクをかけ、謎めいた新境地を見せた
「吉田ミサイルの世界」と、
ラガマフィンのようにまくしたてる漫談フロウで聴かす「今村つぐみ」は
良かった。特に今村つぐみさんは身一つで喋るだけなのに、
トリにふさわしいパンチの効いたライブだった。
さて、冒頭でヌルイと書いたが、それは「これまでと比べて」という意味。
当然ドラムの音もなく、マイクも使わない演目だけだったのだから
「音圧」という意味での圧力は無いし、ソロが多かったので演者の
総数も減った。表現圧力は弱くなって当たり前なのだ。
しかし、ある意味でそれは意図されたようにも感じられ、
そこにオーガナイザー セシルさんのストイシズムと逞しさを感じた。
遠藤ミチロウも、吉井和哉も、奥田民生だって、ソロになった当初は
リスナーから寂しがられることもあったに違いない。
でも、ソロアーティストにはソロの味わいがあるのだ。
「バンドサウンドを離れてこそ匂い立つもの」を追求していく
悶絶マーメード a.k.a セシルを今後も観て行こうと思った。