片鱗 公演情報 イキウメ「片鱗」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ホラー作品だとは思わない
    久しぶりに、イキウメの本領発揮の舞台だと感じました。

    思索的、哲学的にして、やや怪奇的味わいが絶妙!

    小泉八雲の怪奇小説を思い出したりもしました。

    現代の怪談的な作りながら、どこか究極の人間賛歌風な後味が素晴らしかった!

    今回、一番驚いたのは、大窪さんの演者としての並々ならぬ躍進ぶりでした。

    かなり、円形劇場の芝居は観ている方だと思いますが、この劇場の使い方も、私のベスト1という衝撃的なセッティングでした。

    それにしても、手塚さん、存在そのものが不気味で、改めて凄い役者さんだなあと感嘆!森下さんも、私が観たこれまでの芝居の中で、一番存在感ある役柄でした。

    今後のイキウメが益々楽しみ。そして、前川作品の演出は、やはり前川さんご自身じゃないとと、改めて痛感しました。

    ネタバレBOX

    等間隔に設置された、4つの黒い箱状の舞台。その間は、十字路を表していたのですね。この十字路に、得体の知れない幽霊のような男が徘徊し、会場をそれとなく怖がらせた後、舞台は一転、陽気な雰囲気で、
    大河原家の3人家族、土地持ちの独身男性佐久間家の一人住まい、若い独身ガーデンデザイナーと半同棲の男性が時折出没する堀田家。この3つの家庭に、安斎父娘が引越しの引き出物を持って挨拶に訪れる場面から、物語が始まります。

    それほどの台詞が交わされるわけでもないのに、このファーストシーンから、登場人物それぞれの性格や関係性が、瞬時に客席に伝わる、前川脚本の巧みさに感嘆します。

    4つの家を表す舞台は、各場面ごとに、住人が入れ替わる仕組も、とても斬新。

    手塚さん演じる得体の知れない男が、撒く水が、何よりも、恐怖心を誘発します。この水は、結局、羊水なのかな?だとしたら、手塚さんの役は、生まれ得なかった胎児なのか?

    高3の和夫は父になる道を選び、これから、安斎父娘と同じ人生を送るのでしょう!

    ホラーと言うより、私は「そして父になる」に共通する、作者の思いを勝手に感じ取ってしまったのですが、解釈間違ってるかな?

    しかし、この作品で一番怖かったのは、親しかった隣人が発する「許さないからな!」の言葉かも。自分の心の中を前川さんに見透かされた気がしました。

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    2013/11/24 22:41

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