ショーシャンクの空に 公演情報 フジテレビジョン「ショーシャンクの空に」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    妄想と希望の挟間が心地よい舞台
    映画は、何度か観ました。私以上に、子供達が大好きな映画でした。

    で、ソンハさんが出るのならとチケットを買って楽しみにしていましたが、毎日、ハーフプライスのチケット情報を見たり、3時間ニ回の幕間ありと聞いて、かなり不安が増大しつつ、劇場に向かいました。

    結果=観て本当に良かった!映画と遜色ない仕上がりでした。

    映画では、アンディーが主役として描かれていましたが、こちらは、レッドに主軸が置かれた脚本です。
    その視点が、とても効果的な舞台構成だったと思います。

    ファーストシーンが、映画では、自分好みではなかったので、この始まり方は大変好みでした。

    ただ、最後のシーンで、タイトルが出るのには、どうも違和感を感じました。

    アンディーとレッドの二人だけの場面がもう少しあった方が良かったような気もします。

    レッドを慕う少年とトミ―役を演じた、山崎彬さんの存在感が、とても印象に残りました。

    ネタバレBOX

    「刑務所のリタ・ヘイワース」という原作タイトルからもわかるように、この物語には、アンディーの独居房の壁に貼られたリタ・ヘイワースや、マリリン・モンロー、ラクエル・ウェルチの各時代の人気女優のポスターが、重要な役割をします。

    映画だと、時代の変遷と共に、ポスターの女優が変わって行き、洒落た演出だなと感じたのですが、この舞台では、この3人の女優を実際に登場させ、しかも、幕ごとの狂言回しに仕立てます。この演出が、小粋で、暗くなりがちなストーリーを明るく見せて、実に気が利いていました。

    仮出獄して、50年振りの娑婆の生活に馴染めないレッドの思い出の中に、登場するアンディーという、ストーリー構成にして、映画との視点を変えるアイデアも見事でした。

    映画の方は、後半、急に、エンタメ映画のようになって、大人の私には少し違和感があったのですが、この喜安さんの創り上げた世界の方が、人物の心の深淵に切り込んだタッチで、何度も、目が潤む瞬間がありました。

    レッドを慕う泥棒少年を物語に絡ませることで、この舞台では、主役はレッドの方によりシフトチェンジされていましたが、それによって、映画で内容を知る観客にも、飽きずに楽しめる作品になり、新たな作品として、成功していたと感じます。

    欲を言えば、もう少し、アンディーとレッドの心の交流シーンを増やしてほしかったような気もするのですが、テーマが、映画とは全く異なる気がするので、これで良いのかもしれないとも思います。

    最後のシーンの海の風景は、何かもっと工夫があれば良かったのにと残念。それに、追い討ちを掛けるような、タイトル文字が出たのは、興ざめでした。

    0

    2013/11/09 01:33

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大