Vivid Cafe~It'sオーケストラ~ 公演情報 VIVID CAFE「Vivid Cafe~It'sオーケストラ~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    観劇し、大神さんの芸幅の広さや一人芝居が決して「独り」ではない事に感激し
    青山のダイニングカフェでの一人芝居公演。ネタバレは避けるとして一言でまず「面白かった!!」。
    その上、開演前からスタッフ(いつもなら舞台上にいる演者さんから裏方さんから)の皆様で
    (ボクラ団義という劇団の空気といっていいのかどうか分かりませんが)
    アットホームな(褒め言葉にちゃんとなっていれば良いのですが)
    いい空気をダイニングカフェいっぱいに作られていて、
    一人芝居初観劇の自分にとっては最高の空間で最高のお芝居を味あわせていただきました。
    (それにしても、お酒のツマミとして舞台が観れるなんて幸せだなあ( ´ー`))

    ネタバレBOX

    【観劇中、観劇後1番に思った事】
    ─────────────────────────
    ボクラ団義さんの舞台をいくつか観劇し、
    またそれぞれの演者さんの客演舞台もいくつか観劇する中で、
    自分の中で各演者さんに対して
    「誰々さんはイケメン担当、誰々さんはシリアス担当、
    誰々さんはアクション担当、誰々さんはお笑い担当」のような
    イメージ(型?枠?)を勝手に持ってしまっていた(ようなのですが)、
    ボクラ団義切り込み隊長の大神拓哉さんにそれを見事にぶち破って
    もらったような気持ちになりました。
    (劇団の皆様誰もがどんな演技も、主役も脇役も張れる
    (またその可能性がある)演者さんなのだという事を再認識させられました。)


    前回のVivid Cafe案内で初めて本劇を知り、ボクラ団義本公演、
    Re.Again(Playでしたっけ?)と同様ずっと気にはなっていたのですが
    「大神さんといえばハスキーボイスのお笑い担当キャラ、
    その大神さんの一人芝居=単なるお笑いお芝居」と想像してしまい、
    「自分が観たい/何かを得たいと思う舞台とはまた違うのかな?」
    などと勝手なイメージを抱いていた事が本当に申し訳ない所です。
    (いや、お笑いお芝居中心ではあったのですが、
    思わぬ深みがあったり印象的かつ考えさせられるものがあったと、
    得るものがかなりあったという事をちゃんと言っておかないと、うん)
    ─────────────────────────


    そして、Vivid Cafeが一人芝居であっても「独り」ではない、
    劇団総員総当りの舞台である事を感じました。


    まず会場であるダイニングカフェ前でボクラ団義ルーキーの女性
    (ごめんなさい、お名前覚えてなくて)が会場案内、
    そして会場に入るといつもなら舞台の上や前説、物販ぐらいでしか
    触れる機会のない色々な方々が自ら案内、
    ドリンク/スナックのサービス、前説に当たる説明など、
    ボクラ団義スタッフ総当り(これでも全員ではないでしょうが)で
    会場の空気づくりをしてくれているのもあって、
    なんだか居心地がいい、
    (いつもの色々な劇団のお芝居なら)これから始まる舞台にドキドキと
    緊張の待ち時間なのにお酒にお菓子にキャストの皆様の会場廻りに
    何かアットホームな気分に浸りながら開演を待ちました。


    パンフには「深く考えないで感じるままに観て下さい」のような案内があり、
    「やはり大神さんの一人芝居という事で、いつものボクラ団義テイスト
    (伏線その他色々な深みと感動を与える)とは違う単純なお笑い方向、
    と考えた方がよいのかな?」と思っていました。


    しかし、開演での大神さんの「オーケストラ」についての説明
    (by ウィキペディア)から始まり6つのお芝居が展開されて
    (途中休憩もまたいいタイミングでした)
    最後のテロップで流れるメインテーマを観て、
    「ああ、やっぱり深いお話だったんだなあ」
    と改めて考えさせられました。


    いつもは観劇中にアンケートを書くなどしてしまうと
    「舞台から集中がそれてしまうかな」と考え、
    アンケートは終演後に書くようにしているのですが、
    今回のお芝居では1つ1つの小芝居(ショートコント、
    とは呼ばないですよね、1つ1つの小劇をなんと呼べばよいのでしょう?)の
    間に、色々笑いのツボから思わぬ深みのあるお話まで、
    いつものボクラ団義本公演とは違う方向でありながら
    やっぱり盛りだくさんかつ考えさせられる/得られるものの多い舞台であった為、
    思わず気づくまま、思いつくままをアンケート用紙に書きながらの
    観劇となってしまいました。


    パンフにあった各劇(名前を忘れてしまったので勝手にタイトルつけるとして)
    (0)開幕

    (1)音楽の先生
    (2)女子大生麻衣
    (3)ヤクザの銭湯
    ~休憩~
    (4)演出家?
    (5)食べるおじいさん
    (6)25年?ぶりの歌い手

    (7)終幕
    までの全小芝居について、爆笑、失笑などの笑いを中心に、
    考えさせられるものやちょっとした息抜きまで、
    色々なものを本当にうまく演じ分けられていたと思います。

    途中でふと思いその後ずっと気になっていたのですが、
    6編の本編はそれぞれ何かの時事ネタその他についての
    風刺的な意味合いなど何か背景を持っていたのでしょうか?
    (後で人からも指摘されましたし、自分も観劇中に
    「何かあるのでは?」と勘ぐってしまいました。
    あるとすればそこはボクラ団義流
    アフターパンフなどで知りたかったなあ・・・)


    (1)音楽の先生
    いきなり大神さんの「あれ鈴虫が鳴いている~」の歌から始まる本劇、
    ここでまず驚いたのは、大神さん=ハスキーボイスだけではない、
    歌声での声域の広さでした。
    そこから前の先生が国の機関に捕まっていたり、「松村くん」が大暴れしたり、
    最後の最後にネズミ講に走ったり、と短時間ながらかなり展開の激しい劇でした。

    ここで一人芝居での舞台/空間(ここでは「教室」)の作り方/演じ方を
    まず見せてもらいました。


    (2)女子大生麻衣
    普通の女子大生が普通にバイトして普通に恋をして普通にバイト仲間に相談してそして・・・
    という本当によくあるリアル、をこんなに面白い劇にするとは思いませんでした。
    「ゆうや君」が君に届けの風早君やスラムダンクの流川君やらに似ていると言われて、
    「えー!ゆうや君のイメージがブレまくっててさっぱり分からん!」
    と麻衣に突っ込みたい気持ちでいっぱいでした。
    (麻衣はというと最後の写真映像が君に届けのサダコ(爽子)
    そっくりで不気味ながら可愛かったです。)

    そしてあんだけ「バックレしてやる!」とアピールしておきながら実は
    「4回め」というオチが完全にツボでした。


    (3)ヤクザの銭湯
    普通のスーツ姿のおじさんが居酒屋か何かに入って
    常連さんに挨拶したのかと思ったらいきなりスーツを床に放おって
    シャツも脱ぎ始めて、そして背中のクリカラモンモン(刺青)で
    「ヤクザか!」と分かり、更にそこが銭湯である事が分かり、
    「銭湯は刺青の人入店禁止でしょ!」とは思いつつ、
    どんどんお話に引きこまれていきました。
    (名前を忘れてしまいました)部下が風呂が嫌い、という設定なのに
    いつの間にか背中流させたりしてて(「スーツのまま背中流してるのか?」と想像)、
    勝手に妄想して勝手に失笑しながら見守っている中でまさかの裏切り!
    と思わせて更にサプラーイズ!

    劇的には他の劇も好きだったのですが、この劇以降各劇が
    「どうオチるのか?」と疑心暗鬼的な深みを持った
    (と思っている)事からも自分はこれが一番好きなお話でした。


    (4)演出家?
    とにかく「ヌーッ!」とか1文字擬音が出まくりの演出家?が、
    「デヤー!」っとか「ウォー!」とか2文字擬音になるタイミングが
    劇の盛り上がりに合わせているかのようで面白かったです。
    しかも7つも舞台抱えていたのに最後に「担当が本舞台1つになりました」
    その理由が自分の女優に対するセクハラ、という事がこれまたもう・・・
    ツボでした( ´ー`)


    (5)食べるおじいさん
    あの有名な楽曲(すいません、名前分かりません)に合わせ、
    おじいさんがとにかくご飯を食べる、
    大神さんが本当にご飯や鮭?やピザなどを食べる、
    「大神さんの昼食かな?」と思える劇(?言い方難しいですね、このお話は)
    で、自分は「こ、これって劇、なのか?」と否定的?に思いつつも
    笑いはこみ上げるし「他が結構凝ったお話だったのに対して
    ここが一種の息抜き的な場面なのかな?」とやっぱりこのお話も
    この6編の中では必要だった気がします。
    (必要悪的な小芝居?)


    (6)25年?ぶりの歌い手
    (大神さんお得意の)フォークギターを抱えて出てきた女性歌手、
    それが25年?ぶりの人前での歌であり、歌手をやめてからの半生が
    これまたすごいもの(だんな沢山子沢山)であった事、
    最初の息子が大麻で捕まって出てきた事、雑草にドレッシングは合う?事、
    などをおもしろおかしく演じ、また歌い上げていました。
    最後の「よさこい祭り」がいいオチでした。


    そして、終幕時のテロップで今回のメインテーマ「オーケストラ」
    についての説明が再度流れるのですが、そこで
    「6人それぞれのまったく関わらない物語、
    それぞれが奏でているハーモニーが絡み合った時、
    素晴らしいオーケストラになる」というような説明に、
    なんだかこの6編全てを総括する形で「うん!」と
    納得させられてしまいました。
    (パンフにあった「深く考えないで」がある意味ここにつながる壮大な
    伏線だったような気もします。)




    すいません、その他にもこの開幕/終幕と6編の中では
    お話の色々な動きの中で色々な事を考えさせられたのですが、
    もう全部を書ききれません。

    いやあ、「壮大」な一人芝居だったなあ( ´ー`)

    PS.これまでのVivid Cafe5回のDVDが発売、「サインもするよ!」という事で
      非常に欲しかったのですが、別用ですぐに撤退してしまいました。
      次回公演ではぜひ全編合わせて買わせてもらいたいと思います。

      あと「終焉少女(名前思い出した)」もその頃には売ってるといいなあ。。。


    PS2.(すいません、書き忘れてました)
      基本自分の中では、各劇団について舞台として観せてくれたものに対して
      自分が感じた/受け取ったもので(まあ結局は主観的なものなのですが)
      評価しないといけない、批評を書くのならどこかに肩入れなど
      してはいけない、などと勝手に思っているのですが、
      あのダイニングカフェの中にこういういい空気を作ってくれたスタッフの
      皆様(+店員の方も)、そしてこの一人芝居を支える更に後ろにいる
      いろんな方々(脚本映像音楽パンフその他本劇を開幕し無事
      終幕するまでに関わられた全ての方々)、
      その存在を感じさせられてしまうと応援せずには
      いられなくなってしまいますね(そう思わせる事自体が
      「企画演劇集団ボクラ団義」さんの良さなのでしょうか)。

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    2013/11/03 19:04

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