期待度♪♪♪♪♪
「女子会時代」の関係性を提唱できるか
「ブスじゃない。むしろ美人」という。
しかし、「本命の彼女にはなれない。いつも2番手」らしい。
近頃、「女子の本音」を扱った舞台が多くなってはいないか。
逆に、秋葉原の女性ユニットを蔑む形でデフォルト化し、「本音」と「建前」の ギャップを笑う傾向すら ある。
「本音」と「建前」を 社会的な くくりで表せば、「お約束」(価値観の共有事項)に他ならない。
つまり、「プンプン♡」を裏切らない さとう珠緒は 典型的な日本人であり、こうした女子を蔑む傾向は 何を意味するのだろうか。
「女子会」や「女子力」というキーワードが日本中を飛び交う。
そして、「女子会」の意味はサラリーマンに欠かせない『飲み会』だし、「女子力」は『力』を含む点で女子のイメージとは相違がある。
すなわち今、テレビや雑誌、SNSで流行中のキーワードを読み解けば、女子という「お約束」を破ることを良い意味で解釈することとイコールなのだ。
共通するのは、「内側の論理」である。社会(外側)に向けたものではなく、自己(または属するグループ)のブラッシング欲求といえる。
反対に典型的な日本人=秋葉原の女性ユニットや さとう珠緒は「お約束」を守り、その言動も「外側」へ向けた ものだ。
舞台上で かなりデフォルメ化される背景には、こうした潜在的な対立構造が作用しているのは明白だろう。
しかし、私は「本音」の舞台に関しては対立構造の反動として出現した類ではないと考える。
それはリアリズムであって、関係性を軸とした深い内容のケースが占めるからだ。
今回の作品は、「2番手」のテーマを踏まえると、また ひと味違った関係性を提唱してくれるのではないかと期待する。
同じステージに立つ(2番手)女こそ、“複雑に絡み合い”、“手を取り合う”はず 。
小説などを読み、見慣れた光景でもある。