ヒルコ 公演情報 クロジ「ヒルコ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    3組の歪んだ/狂気の「愛」の形を描いている?
    それぞれの歪んだ/狂気の「愛」の形を見せたかったのかな?テンポよくつっこまれる笑いの中にも、オドロオドロしい狂気のような怖さが出ている作品でした。

    ネタバレBOX

    ヒルコ(蛭児を想像)というちょっと怖いタイトルと
    パンフにある愛する人の指を、っていう情報から
    「ちょっと怖いお話なのかな?」と思いながら観劇。

    最初A国、B国、C国のC国に対抗する為にAB国が共同戦線?
    (すいません、言葉がでなくて)を張る為に
    A王子(?)とB姫(?)が政略結婚させられる、
    っていう流れから、実は2人はもともとめっちゃイチャラブ
    (こういうラブラブな演技は好きだなあ)で
    付き合ってましたー、という所までで
    「もしかして喜劇調で行くのかな?」
    と自分的にはワクワク期待したのですが、

    C国の宣戦布告に対して
    「戦になるかも知れない、もちろん自分も前線で戦う」
    という王子に対し、今までに王子からもらった
    色々な思い出の品を投げ捨て
    「思い出はこれからも生きて作る(だから死なないで)~云々~」
    と姫が語るまでは良かったのですが、


    夜寝静まった頃、目を覚ました姫が突如王子の指を斬ってしまう。


    ~この場面で王子の叫び声とともに暗転~


    え?この後は喜劇調で行くの?悲劇調で行くの?
    すごく不安なようなドキドキがありましたが、、、


    狂気系の悲劇の始まりでした。
    「姫は狂ってる!」
    (姫の弁によると、失くならない絆が欲しいのでお互いの指を
    切り落として交換し持ち合おうと思った、と。)


      場面転換し、C国の王がAB国の王子姫夫婦の王子が姫に指を斬られた事を
      知って興味を持ちました。
      (この時はこのC王がこの「愛」の形に興味を持っている、
      とまでは推察できず(まあほんとの所はそういう意図だったのか分かりませんが…))。


    C国の突如の強襲に対して

    ※ この場面、少ない人数で構成されるこのお芝居の中、
      C国の王と垂れ幕複数だけで軍勢が攻めて来て征服されてしまった、
      という場面の演出としてすごく良かったと思います。

    指を斬られ負傷していて王子が参戦できなかった事もあり、
    AB国はあえなく敗退。
    そしてC国の傘下になる事になったのですが、

    C王「姫よ、俺の女になれ!」
    王子が止めようとするのですが、
    C王「指を落とされてもまだ愛するか、ならば代わりにお前の腕をよこせ!
      さあどちらにする?」

    王子は自分の腕を斬らせて姫を守ります。


    うわあ、、、タイトル「ヒルコ」の意味ってやっぱり・・・


    (それから先はいつどんな理由をつけられてまた
    王子が斬られちゃうんだろう、とその不安が常について回りました(´・ω・`))


    それから色々
    ・ C王はどうやら王子の澄んだ心を壊したい(というか本当の顔をあらわにさせたい?)
    ・ C王が他人から憎しみであってもいい、注目を受け続ける為に争いを続けている
    ・ C王は攻め滅ぼした他国の人間を嫁、侍従?、兵士(爆弾作りの人)
      などそばに置いているが、自分を殺させたい、という想いがある(?)
    ・ 王子は姫を助けたはいいが、姫の愛の重さ(というか歪み、狂気)に耐えられず、
      また指、そして腕まで斬られるハメになったという恨み(?ここの判断が難しい)
      もあって、今度はいとこの娘に走る
    ・ C王が戦の前祝いに兵士どもに女を供するからそれぞれ差し出せ、と迫った時
      いとこの娘の代わりに姫の方を行かせる
      姫の方もそれで「自分の愛を認めてもらえるなら」と
      身体を捧げに行く
    ・ 兵士どもに身を汚された姫が(演出表現の目の映像の意味がここで分かる)、
      いろいろな好気の目にさらされるなら(?違ったかな?)
      と、自分の目を突こうとし、
      最終的に王子と手と手をとって目をつく(王子の同意の理由も深すぎて分からん)
    など、ちょっとテーマ的に
    「愛」のそれぞれの形
    (「狂気の愛」とでも「愛ゆえの狂気」とでも「ゆがんだ愛の形」とでも形容すれば
    良いのでしょうか?)を描こうとしたのかなあ、と思いつつ、
    やっぱり怖い。
    笑いもチョイチョイ放り込まれるがそれでも怖い。


    最終的にちょっとオチとして自分の中ではストンとハマるものがなかったなあ、と。
    自分の印象として残ったのは
    ・ 姫の王子に対する「愛」、それゆえの狂気(幼さ?)
    ・ 自分に目を向けてほしい、それゆえに他国に攻め入り他人に
      憎しみの目を向けさせるC王の「愛」?を求める形
      (自分を殺させようとする、この思考ら辺は「愛」と絡むのか自分には分からず)
    ・ C王に自分の国を滅ぼされた敵でありながら、
      依存するしかない、それぞれの者の(特に嫁の)「愛」
    3つの「愛」なのかなあ、と。


    自分は喜劇、悲劇、感動もの、オドロオドロしいもの、どんな物語でも
    ・ まず自分が共感あるいは反感できる(気持ちを持って行ってくれる、感情移入できる)
    ・ 何か胸にストンと落ちるようなそんなオチがついてくる(消化不良にならない)
    ようなものが好きなのですが、
    このお話は共感/反感のキャパを越えて感情移入するのすら
    「怖いなあ」と感じてしまった為、自分的には好きになれませんでした。
    (脚本家/演出家としては全体に流れるテーマを見せたかったのでしょうが、
    自分は最初の10分の喜劇だけを観たかった、という感じ。)


    村上春樹(?全然違う人かも?)か誰か、こういう系統(愛ゆえの狂気)の
    お話書いてましたが多分ハマる人はすごくハマる内容だとは思います。
    演技は良好。

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    2013/10/03 00:10

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