満足度★★★★★
柿喰う客「失禁リア王」観ました
地元でも観る機会を逃していた女体シェイクスピアを、芸劇eyesの女性作演オンリー企画「GSQ」と併せて観る、期せずしてこの取り合わせの妙…
大作古典戯曲を90分で上演する手腕に、まず脱帽。これをシリーズで続けているとは…すぐまた脱帽。
もう今さら書く必要ない気もするけれど、役者も演出も全てがド迫力。
謳って踊って演技して殺陣もやって、スタミナ消耗度は想像もつかない…息つく暇もないジェットコースター演劇のエンジン。
そんな中、七味さんのエドガーが、最初から最後まで七味さんならではの味で変わり続けたのが印象的。
「リア王」では、コーディリアの不可解な言動はよく言及されるけど(今回もw)、エドガーの劇中での存在のあり方に注目させられた。
カラン役の加藤紗希さんの、凛としたボディラインも印象的。決めがいちいちキレイ。あとでダンスユニット・ビルヂングの人と知って納得。
メインキャストにほとんど無言で寄り添う姿に、ちょっとメフィストフェレスを連想(ガタガタ)
劇中で死んだ役の役者が、その後も歌やダンスで出ずっぱりなのが、舞台の虚構性を見せつけて、むしろ気持ちいい。
宝塚や歌舞伎を連想させる、ケレンも不条理も抱えた娯楽作。もはやすでに伝統芸能だ。。。