かもめ 公演情報 シス・カンパニー「かもめ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「私は女優」対決?
    ニ―ナ役の蒼井さんと、トレープレフの母親役の大竹しのぶさんとの、一騎打ち感覚の観る楽しみがありました。

    個人的感想では、蒼井さんに軍配かな?

    大竹さんは、以前、チェーホフの妻を演じたことがあるので、どうもそういう視点で、アルカージナの役作りをなさったのではと思いました。

    以前、拝見した、Kさん演出の「かもめ」とは比較しようもないほど、喜劇としての面白さには満ちていました。

    ただ、大竹さんの役作りには、少しやり過ぎ感があったのと、萬斎さんの演技意図があまり理解できず、戸惑った部分もあります。

    生田とう真さんのトレープレフが、清廉な美しさで、青年の戸惑いを誠実に再現されていて、大変好感が持てました。若い頃、夢中になって読んだロシア文学の作中の青年が目の前にいるような錯覚を覚え、清々しい気持ちになりました。

    ケラさんの演出では、トレープレフと母親の関係が、「ハムレット」のように描かれ、マザコン的な印象もありました。そのせいか、いつか、生田さんの演じる「ハムレット」を是非拝見したくなりました。

    ネタバレBOX

    今回改めてわかったのは、チェーホフの登場人物って、皆自己中心的な人ばかりなんですね。

    何度か観た「かもめ」では、脇役の存在意義をあまり感じなかったのですが、今回の舞台は、ソーリン、ポリーナ、マーシャ、メドウ゛ェジェンコ、ドールン、シャムラーエフなどの脇役にかなり光が当てられた演出だったように感じます。それぞれの役が立っていて、その人物の登場の意味がわかりました。

    わかりにくい、人物関係もよく理解できました。

    チェーホフ劇にケラさん演出は、適任人事だと思いました。

    場転の人物の流れは、いつもケラさんが映像で表現されるのを生で再現したかのような演出で、見た目にも美しく、次の場面への興味を繋げました。
    とても自然で、場転が芸術的だと感じたのは、初めてかもしれません。

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    2013/09/19 22:23

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