ショウジさんの息子 公演情報 渡辺源四郎商店「ショウジさんの息子」の観てきた!クチコミとコメント

  • 勘弁してください。
    ちょっと多めに芝居を観ている身ですが、人生で初めて観劇で涙を流しました。いつもはCoRichに記す旨を書いてアンケートは簡素に済ませてくるのですが、今回は感想をすぐに伝えたくてその場でちゃんと書きました。
    「隣にいても一人」でまずは役者としての畑澤さんを目にする。温かそうな人だなと思い、尚且つ彼の劇作の評判も知っていたのでこれを観ようと決心。ものすごく前からチケットを押さえていました。着席してパンフレットに目を通し、畑澤さんの挨拶文にまずやられる。お父様を早くに亡くされていて、今回の主役の一人であり驚異の80歳俳優・宮越さんの様に老いたいと。もう!そしてキャスト紹介。畑澤さんが勤務する高校の卒業生が多数出演。もう!ちょっとー、もう既にあなた方のドラマがそこにあるじゃないですか!人として羨ましい。
    そして開演。宮越さん、いえ、宮さん。ホントに驚異の80歳。単に味があるだけではないのです。「その歳にしては…」とかレベルではない。とはいえ冷静に考えたら、上京して慣れない地で芝居をしてるってのだけでものすごい事ですよ。確かに、彼の生き様を拝見しました。
    そもそも他人だった人間同士に長い時間を掛けて生まれる絆。人が生きるとはそういう事なのですね。人は命が尽きたら死ぬのではなく、誰とも接っせれない様になってしまったら死ぬのですね。生きていたい。心からそう思いました。

    ネタバレBOX

    終盤、真佐彦が『1年後には…』と将来的に予想された自分の身を語っていく所で「あぁ、それ以上は言わないで。もうやめてくれ…」という心境にさせられました。そんな救われない状態の中、正治の『治るよ!』。その言葉に根拠なんかない。でもそこに医学的根拠なんかいらない。
    あの後の2人がどうなったのか、いくら考えても考えは尽きないですね。由香里とはどうなったのか。真実を伝えないまま距離を取った気もするし、願いとしてはそれを乗り越えて幸せになって欲しかった。由香里が『支えていきます』みたいな事を言って、真佐彦が『そんなの無理です』みたいに返して、正治が間を取り持とうとする。そんなのを乗り越えて行って欲しかった。あぁ、あの人達は自分の中でまだ生きてるなぁ。きっとこれからも生き続けますよ。

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    2008/05/25 23:22

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