『iSAMU』 20世紀を生きた芸術家 イサム・ノグチをめぐる3つの物語 公演情報 KAAT神奈川芸術劇場「『iSAMU』 20世紀を生きた芸術家 イサム・ノグチをめぐる3つの物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    前衛的な美しい、夢を見た気分
    イサムノグチの作品は、感じることはできても、あまり理解し得たと思ったことはありません。

    どんな人物だったのかも、よくわからない印象。
    そういう、不可思議な人物を、窪塚さんが、体現される様子が、小気味よい舞台作品でした。

    日本の古式ゆかしさを大事にする彼の考え方に、そんなもの、とっくに消え失せたこの国の人間として、辛い戦慄めいた思いが、何度も心をよぎりました。

    村上春樹の作品を舞台化したような非現実的なシーンと、昔の、日比谷芸術座で上演したような東宝現代劇チックなシーンとが、ないまぜになった、一種アンシンメトリーな舞台空間でしたが、それが不思議とアンバランスでもなくて、何だか曰く言い難い観劇体験をさせて頂きました。

    視覚的に、妙に心に残る美しい舞台でした。

    ネタバレBOX

    最初と最後の、航空機の機内のシーンが、大変印象的でした。

    美しい絵画を鑑賞したような気持で、舞台の中に吸い込まれて行って、夢の中を浮遊しているような素敵な安らぎがありました。

    ところが、一転、建築家の丹下さんや、魯山人や、山口淑子とのシーンでは、まるで、舞台進行が、ベタな、東宝現代劇みたい。菊田一夫の演出舞台とかを思い出してしまう。

    とてもチグハグな構成のような気がするのに、あまり違和感はない。

    その不可思議な舞台構成が、まさにイサムその人の人生ををそっと物語るかのような、心ではなく、目で感じる作品だったように思いました。

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    2013/08/28 02:19

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