癒し刑 公演情報 ガラス玉遊戯「癒し刑」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    本当にありそうな話!
    精神をコントロールすることの是非論の他、一つの真実のもう一つ奥の真相が明らかになる展開には息を呑みました。素晴らしかったです!!

    ネタバレBOX

    マイナス思考に陥った人に過去の僅かな喜び体験の感情を増幅させることによって、差し引き前向きな性格に変える機器、メンタルペースを埋め込んだ人たちの話。

    トンネルの崩落事故で同乗していた娘を失った緒方はクリニックの先生、その女の子と目が合いながら正にコンクリートが崩れそうな状況下で恐怖に負けて助け切れなかった救急隊員はクリニックの患者、この二人の関係と事故の状況が明らかになる過程は見応えがありました。

    危険極まりない状況下では已むを得なかったと誰もが評するにも拘わらず、責任感の強い救急隊員は職務を全うできなかったことに悩み、一方救急隊員を憎むことで精神的に安定しようとする緒方夫婦という構図だとばかり思っていましたが、実は事故後真っ先に逃げたのが緒方で、身動きの取れなかった妻は救急隊員に助けられ、その後娘はコンクリートの崩落で亡くなったというのが客観的事実でした。事実から逃げるため、あるいは普通の社会生活を送って収入を得るためにメンタルペースを埋め込んでいた緒方でした。メンタルペースを外した後の緒方の落ち込みようは凄まじく、この重層構造には恐れ入りました。

    ブスとかグズとか言われてもイラッとしないメンタルペースの効果にも驚きますが、心の病気に落ち込む人間が悪いのではなく、職場環境が悪いのだは至極当然で名言でした。

    メンタルペースは医療用の麻薬のようなもの、医師の管理の下で末期癌の患者に対してとか限定的に使用するのは有りかなと思いました。

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    2013/08/24 09:48

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