ディストピア 公演情報 角角ストロガのフ「ディストピア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    正義を巡って二転三転する物語
    非現実的な設定・展開で人間の醜い部分がショッキングに描かれたブラックファンタジー的な要素の強い作品で、登場人物達の立場が二転三転して、善悪を単純に分けていないのが印象的でした。

    無実の罪に問われた有名俳優が世間から隔離された町に辿り着き、善い行いをしようとする中で忌まわしい人間関係が明らかになって行く物語で、立体的に作られたセットを用いて回想シーンを含めた様々な場面が次々に展開し、スピード感がありました。
    安易に救いのある方向に行かず、モヤモヤ感を残した終わり方は良かったのですが、終盤で回想シーンを多用するのは説明的に見えてしまい、演出的にも落ち着きがなく感じられました。

    冤罪が起きてしまうシステムと、一旦疑われたことによって崩壊する日常生活がリアルに描かれることを期待していたのですが、冤罪は物語の発端として使われるものの重要なテーマではなく、正義や偽善が中心的な主題となっていて、個人的に望んでいた方向性とは異なっていたのが残念でした。
    荒唐無稽な設定と典型的なキャラクターの造形の為に全体的にマンガ的な雰囲気があり、グロテスクな暴力や狂気の表現に迫真性が感じられず、薄っぺらく感じました。

    宗教曲を中心にした選曲は作品の内容に合っていましたが、効果音を含めて音響を多用し過ぎに思いました。
    エンドロールはドラマの流れを滞らせていて、ビジュアル的にも格好良いとは思えず、不必要だと思いました。

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    2013/08/24 00:34

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