クロスワールド 公演情報 夏色プリズム「クロスワールド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今後の発展に期待
    オリジナルで、しかも初回の公演としては、すぐれた作品だったと思いました。いくつか私の頭に引っかかったり、ここは修正したほうがいいなと思ったところはありますが(これはあとで)、近未来の(いや、もうすでに現実かもしれません)、しかも重いテーマ。これからの長い劇団の再演により手直しをして、さらに磨いていけばいいのだろうと期待もこめて、「良かった」という総評を。
    ひとつ感心したことがあります。それは、7人(だと思いました)の出演者全員が、台詞の言い回しの乱れもなく、おそらくは「十分に練習したのだな」と思わせるだけの劇であったことです。最近いくつか観た劇団にはなかったことです。当たり前のようですが、なかなかできないことです。その練習量があってこそ、劇の内容も、稽古の中でさらに深まり、進化するものだと思うのです。
    この点では、自信を持っていい「すぐれた」劇団だと評価できます。「ああ、きっとこれから伸びていくだろうな」と。

    以下、ネタバレBOXで。

    ネタバレBOX

    人の生きてきた歴史を評価することはとうてい不可能なことです。おそらく神ですら、「そんなことはできない」と答えるものでしょう。ですから、それが誰かの「専決」となった場合、その役を授かった田中の機械的判断は合点がいきます。ですから「情を挟まぬ」という流れは、私は自然に受け入れられました。残酷ではあっても。
    さて、いくつか注文です。内容と演出、混在します。
    ①暗闇の中での破裂音、インパクトある演出だとは思うのですが、私は苦手です。(苦笑)ちなみに私の座席の周りのお客は、軒並み椅子から飛び上がっていました。大きな劇場なら差し支えないのですが、ここのようなステージが間近の場合、ちょっと恐怖心が蓄積されます。私は暗転のたびに身構えてしまいました。どこの劇団か忘れましたが、「暗転の際に大きな音が出るときがございますので・・・」の前置きがありました。検討してもいいのかなと。
    ②田中の「失敗」は、無理があります。「生きるはずの両親」の事例など、それまでにもたくさん遭遇するはず。判断を変えたにせよ「それが運命」としないことには、この職はやっていられないと思います。別の「失敗」を検討すべきかと思いました。
    ③役者さんは適材適所で、好感を持てました。田中役の柘植さんも、適度に「重み」を感じさせました。先にも書きましたが、台詞、滑舌がいいですね。
    ④奇跡の復活は「情に流された」せいなのでしょうか。(笑)残酷であってもよかったのでは。これがなくても、クローンも「一個の人格」だとわかります。それでよかったよかったなどと感じるものではありません。ラストをうまく書き換えられると締まったものになるのではないかとも思いました。

    原田さんから、挨拶を受けました。光栄です。予想より、ずっとずっと若く、「好青年」の印象。次回、そしてそれ以降の発展に期待をして。

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    2013/08/19 00:19

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