「バカの瞳はもれなく綺麗」 公演情報 GORE GORE GIRLS「「バカの瞳はもれなく綺麗」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    要注目劇団
     面白い。
     端的に言えば、思うところあって東京から都落ちした垢抜けた美青年を石川県某市の若い男女6人組がおちょくり倒し、おちょくり返される話。ま、双方のどちらにも“おちょくってる”という意識はないのかもしれませんが、結果的におちょくっているという…。
     本サイトでの批判を受けて直したのか、演技はちゃんとメリハリのついた真っ当なものになっていて(バルブにはそう見えました)、まともな人間が一人も出てこないこのおかしな劇をより面白くしていた印象。己の異常性への自覚がまるでない一見まともな人間たちが時に語気を荒らげ、時に冷静に自説を主張し合うズレた会話は爆笑モノでした。
     何より、タイトルにも表れている通り、作・演出の西山さんの言語感覚が秀逸!
     この劇団、今後、大バケする可能性も…。
     ただ、衣裳や美術へのこだわりの無さがバルブ的に少々気になったので星は4つ。
     衣服にはほとんど頓着しないバルブが役者の衣裳に厳しい目を注いでしまうのは自分としても不思議ですが、それはバルブが他の多くの演劇ファン同様、お芝居というものに非日常を求めるせいでしょう。
     役者は平均的な一般人よりいくらかマシな恰好をすべき。でないと日常に引き戻されちゃう。
     それに、男性客は女優を、女性客は男優を、どうしたって異性として見るわけだから、女優には女として、男優には男として光り輝く恰好をさせたほうが客はやっぱり喜びますし。
     例えば、ネルシャツにズボンという丸川役を演じたある女優さんの恰好。もっとガーリーな恰好をさせればより素敵に見えたに違いなく、男性客はより良い心地で劇を楽しめたはず。
     高級ドレスを着せろとか、そんなことは申しません。今回の劇で女優がドレスなんか着てたら場違いですし、和服でもまずい。
     まあ、女子大生が部屋に友達を呼んでバカっ話を繰り広げる会話劇だったりすればネルシャツにズボンのほうがくつろいでる感じが出てむしろ良いのかもしれませんが、本作はそういう芝居ではなかったし、より女らしく見えるようスカートにブラウスとかでも良かったのではないでしょうか?
     スカートだとUFOに見立てたテーブルを下から持ち上げるシーン(←観てない方には何を言ってるのかさっぱり分かりませんね…)で不都合が生じるとか、そういった事情もあったのかもしれませんが、上手く動きをつけてあげれば問題は回避できたはずです。
     要するにバルブが言いたいのは“衣裳にも最低限の気配りを!”ってこと。
     いや、それどころか、先鋭的な笑いを追求する貴団の作風からして衣裳には並の劇団以上にこだわってオシャレなイメージをつけたほうが女性客がつきやすくなって劇団経営という観点からは得策かもしれない。
     例えば、犬と串。同じく笑いへの追求心が強いあの劇団が売れつつあることには衣裳や美術がオシャレであることが少なからず寄与しているようにバルブは思うのだ。
    “オシャレなんて糞食らえ!”を基本的なファッション観にしているバルブが“もっとオシャレに!”などとヌかしていることに我ながら驚きますが、あまりに衣裳がイケてないと服装に気を取られて芝居の中身が頭に入ってこないということにもなりかねないので、少なくともそうならない程度には衣裳にも心配りを! とりあえずこれだけは言っておきたいです。
     
     

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    2013/08/12 14:27

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