カルデッド 公演情報 JACROW「カルデッド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    25・31日と2回観させて頂きました
    自殺をテーマにしたオムニバスとお聞きしていたので、観劇後を想像しかなり覚悟して観させて頂きましたが、むしろスッキリした感すらある帰路でした。

    ネタバレBOX

    第1話『甘えない蟻』は2011年に中野ザ・ポケットで観ていたのですが最後のPCを使った演出に当時と同じ震えを感じました。私自身が東北出身なだけにこの作品には揺り動かされる部分が多々あります。

    第2話『スーサイドキャト』は事前に登場人物の名前を確認していたので途中から「もしかしたら」という想像はしていましたが、それに対する明確な答えを出さずに物語は終わっていく。そんな終盤、熊野善啓さんが虚ろな目になって自分の中の結論から目を逸らし喋るのは背筋が震えました。「ここからもう一悶着あるんだろうな」という勝手な想像を膨らまされて終わるのは、受け取るべき部分だけ受け取れたのかもしれないという満足感すらありました。

    第3話『リグラー』前は不動産業界にて働いた経験がある自分からすると、朝会議の再現度が高すぎてあの空気を思い出し胃が痛くなりました。狩野和馬さん演じる豊田課長のような激情型の上司は本当にいますし、自分もあの鈴木&松田のような立場で会議を必死にやり過ごそうとしたのでその緊張感に苦しみつつ,、本田をと2人が会話しない不自然さ・違和感を勝手に「確かに庇ったりできない空気だったな」と自己完結していたところで襲ってくる結末に震えました。
    別の方も書かれていますが、この第2・3話は『世にも奇妙な物語』的な後味を残して終わっていきましたので1・4話がより活きた気がします。

    第4話『鳥なき里に飛べ』は最後に救いがあった事に本当にホッとしました。この作品だけは明確に「自殺を選んだ人」がいませんでした。樹海に死に場所を求める入江を説得しようとする内野が自殺を完全否定できないでいる中で登場した緒方が言葉を選びつつ自殺を肯定し、最終的に入江は生きる事を選ぶという段階の踏み方が#17を形成している4作品の締めにふさわしく救いを感じました。

    最後、入江が再び登場し倉持を自分を説得しようとした内野と同じように行動している場面には涙を抑えるのに必死になりました。今度は彼が緒方や内野が行ってきた「道をずらす行為」をするんだ、頑張れ、あなたならできます!と。

    死を観る事で当たり前のように生活している中で忘れていた 生きる事 を考えるきっかけとなりました。

    ありがとうございました。次回作品も期待しております。

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    2013/08/02 03:36

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  • 2回も足を運んでいただけたとは、嬉しい限りです。
    役者たちも喜ぶ、有難いお声を伺えて幸せです!
    ご来場ありがとうございます!

    2013/08/06 21:32

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