実に官能的な、
参った。参りました。とても素晴らしく得難い体験をいただきました。
冒頭、レイ・ブラッドベリ『霧笛』に始まり、繰り返しの短いテキストシークエンスが特徴的な、ベケットの「ロッカバイ」をモチーフに最後の「人生なんてくそったれよ」に収斂していく一人の年老いた女の人生をめぐるドラマ。
って、帰宅して読み直したら、実はモチーフに、というよりほぼ、全編そのままやってたんですね。『ロッカバイ』。うーん。やられました。ずっと前だとは言え、読んでいたのにそれと気づかないなんて。
時折客席から投げかけられ繰り返される台詞、 「もっと」 も、ほとんどオリジナル戯曲のシークエンスの順番通りだったなんて! 恥ずかしい、、、いや、いや。それを凌駕するものが舞台にあったのだ、と信じたい。
思い返すも実に、官能的な50分でした。