虚人の世界 公演情報 公益社団法人日本劇団協議会「虚人の世界」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    演劇的ではあるが…
    観客としてここに描かれている世界に浸りこむには相当な想像力と観劇中、そのイメージを保持し続ける持続力が必要だと感じた。結構シンドイ作品だ。

    ネタバレBOX

    板や擦りガラスに、各シーンのキーワードになる言葉や物体の形状を描いて見せるという手法はなかなか良かった。視覚に訴えることによって、観客のイメージを喚起する役割を果たしていた。(徐々に垂れてきて消えていくというのも趣があっていい感じ。)

    また、4人の男優が夫を、3人の女優が妻を、入れ代わり立ち代わり演じたのもテンポがあって面白いし、この作品にはピッタリだった。一人で演じ続けるとなるととてつもなく重たい作品になっていたと思う。(そうでなくても重いのに)

    こんな実験的で面白い手法とは裏腹に、物語の方は進むにつれて重く暗い「異形の世界」にどんどん入り込んでいく。正直、私は役者の口から発せられる、異様でグロテスクな「異形たち」の姿形を明確にイメージできずに終わってしまった。そのため物語に入り込んで、その世界を(ある意味)楽しむことができずただ茫然と眺めていることしかできなかった。当日パンフに作者の川津氏が“孤独とホラーの関係”について触れているが、そういった視点でこの主人公の男を観ていたらまた違った感想を持ったのかもしれない。

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    2013/07/28 12:41

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