「若い世代から」の日本人論。直球です
日本の流れに対する、若い世代からのアンチテーゼである。
当初、私は 「ROCK」を貫く女と、彼女が所属した女性グループの争いを主題に描く ストーリー構成だと考えていた。
まさしく、これも「日本の流れ」である。
だが、現行権力の御用と化したメディアを批判し、「戦争」が日本人的なブーム感覚で生まれる危険性を 啓発する 舞台だった。
「おかしいと分かっているのに、なぜ、流されるんだ!?」
参院選の最中、そうした内容の舞台を発表したことに、まず「若い世代からの意志」を感じられないか。
「ROCK」を規制する「日本保護法」なる悪法は、戦争遂行レジームにおける「治安維持法」を印象付けた。
これは現代ではない、そして過去でもない、近未来の設定なのだろう。
「流される」を拒否する象徴として主人公の女がおり、第二の堤防の存在としてマネージャーがいた。いや、前者により後者は動かされたのである。
かつて、VISAのコマーシャルで変なダンスを繰り返すオジサンが出演していたと思う。あれは俳優ではなく、実際に 世界中で ダンスを“独り”繰り返すうち、それぞれの国の地域で、それぞれの民族が一緒に真似て踊り始めた というのだ。
この実話は引用され、「次に続く人」の重要性が政府の会議で議論されたこともある。
「流れに乗る」が他人任せだとすれば、「次に続く人」は自主なのかもしれない。
意外なテーマへと突っ込む境界は 見事だった。
ただし、ラストは「ROCK」が演奏された時点で オールキャスト登場するべきだった。
残念でならない。
2013/07/13 02:03
そして、コメントとても嬉しいです。
恐縮ですっ
主宰/馬渕