満足度★★★★
ペニノなのにリアル系
2000年に旗揚げした庭劇団ペニノを最初に見たのは、2003年の「ダークマスター」初演@駅前劇場。今回が2度目だ。初演の「ダークマスター」は完成度がイマイチだったが、「こんなの見たことないだろ」という作り手の意思を感じて、インパクトが大きかった。「とんでもないこと」をやろうとしている姿勢が素晴らしい。2月11日のNHK教育テレビの芸術劇場で「有望若手劇団」として、「シベリア少女鉄道」「モダンスイマーズ」と一緒に採り上げられていた。
さて、今回の「笑顔の砦」だが・・・びっくりした。ある意味、裏切られた。むっちゃくちゃなことが起きるのかと期待していたが、最後まで平和。と言ってもかなりダークではあるんですけど。完成度がめちゃめちゃ高くて、そこも驚きだった。
冒頭から、まるでカクスコかよ、というような平和な芝居が続く。しかし、そんな平和な日常に忍び寄る歪んだ世界。が・・・。まるで中島淳彦の世界かと思った。もちろん、100倍ダークだけど。もっとすごい展開になるかと期待していただけに、ちょっとがっかり。そういう「見たこともないとんでもないもの」を芝居やその他の表現に期待してしまう私なので・・・。
う~ん、ネタバレになるので控えるが、いろいろなことを言いたくなる。いろんな見方ができる芝居だからだ。公演が終わってから、もう一回「観てきた!」を書こうと思っている。(2回書いちゃだめかしら?)
2007/03/05 02:45
2007/03/04 02:37
思うに、この芝居の最も重要な点は、舞台に二つの部屋があるのに、仕切りの壁がないことだと思う。アパートの隣りあう二部屋が舞台なのだが、壁がない。舞台で、こういう二部屋ものをやるときは普通は仕切りの壁をつくる。もちろん、壁がなくても、「ある」と仮定して成立させられるのが演劇のすごいとこなんだけど、でも、こういう二部屋ものの場合はあえて壁を作るものだ。だが、今回の芝居では壁がなく、あると仮定して演じていた・・・。重要なポイントだと思うのだが。なぜ、壁をあえて作らなかったのか・・・。