あやかし相談承り〼。萬屋ツジモリ 公演情報 劇団だるま座「あやかし相談承り〼。萬屋ツジモリ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    あやかしの純情
    噂にたがわぬだるま座の実力を見せつけられた感じの舞台。
    剣持直明さん、ちょっとグッチ裕三に似ているこの人の
    少年のような純な気持ちがこの舞台を終始貫いている。
    “あやかしの純情”が切に泣かせる。

    ネタバレBOX

    あやかしという、何らかのかたちで人間に追われ、居場所を失った妖怪たちが
    ずっと昔から棲みついているあるひと部屋が舞台。
    リストラされて実家の中華料理店へ戻って来た和樹(中嶋ベン)は
    バイクの事故をきっかけに彼らが「視える」ようになってしまった。
    ずっと昔からこの部屋に棲み、あやかしたちの相談を請け負う商売をしているのは
    ツジモリ(剣持直明)というあやかしである。
    実は和樹の祖母シヅ(神田麻衣)もツジモリを視ることができ、
    ツジモリはシヅをずっと見守って来たのだった。
    そのシヅは今、入院していて明日をも知れぬ命であり
    ツジモリは彼女のために命をかけてあることをしようとしていた…。

    自分がどこからやってきてどうしてあやかしになったのかさえよくわからないという
    妖怪たちの“受け入れる”気持ちと、互いに好きに生きる“距離感”が優しくて心地よい。
    人間たちはそのどちらも上手くコントロール出来なくて
    浮気だの離婚だのと騒いでいる。

    シヅを見守るツジモリが、次第に彼女を大切に思うようになっていく
    その過程が優しく素直に描かれるところが好き。
    「人間に踏みつぶされてあやかしになっちゃったけど、もうよく覚えてない」と
    ぽつぽつとシヅに話すツジモリは小学生のようだ。
    そして「自分のせいで何か悪いことがあってはならない」と
    息を引き取る直前のシヅに会うことを頑なに拒むツジモリの
    悲痛な決意と叫びに、涙をこらえることが出来なかった。

    隙の無い役者陣の安定感、現在とシヅの記憶とを描き分ける照明、
    ねずみ男みたいな狐の「コンスケ」などバラエティに富んだキャラ。
    すべてのバランスが取れているところに不意打ちのようにギャグが飛んで来て
    思わず噴き出してしまう。

    これを書きながら考えているのだが
    私はツジモリのファンになったのか、剣持さんのファンになったのか
    何だかよく分からないんである。

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    2013/06/26 02:43

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  • ご来場ありがとうございます。

    ツジモリのファンでもあり、剣持のファンでもあり。
    そのように感じていただけたことをとてもうれしく思います。

    今後も剣持はじめ精進してまいります!
    応援よろしくお願いいたします。

    2013/06/28 12:45

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