リザードマン~Bitter Pain Dolls~ 公演情報 劇団ヘロヘロQカムパニー「リザードマン~Bitter Pain Dolls~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    コンサートもかくや、という超豪華演出
    SF要素の入った特撮系設定の舞台としては最強と言えるほどの照明/映像/音響効果(従来を100%とすれば照明/映像は500%増し、音響は300%増し、といった所)。

    特撮を表現するなら演技も殺陣も、この演出に勝るものはない、とは思いつつも。。。

    ネタバレBOX

    逆に今までのどの劇団でもありえないぐらい演出に金をかけている、
    と思ってしまった事で物語の方に集中しきれませんでした。

    丁度別劇団の舞台を観てきた後、という事もあり
    「いくらなんでも演出に凝りすぎだろう・・・舞台の主役は演技では?」
    と的外れな所でちょっと自分は引いてしまいました。


    しかし、演出にまかせて演者さんの演技や殺陣が手を抜いているか?といえば
    まったくそんな事はなく、とても必死に、とても丁寧に
    情熱的に演じられていました。


    そう思うと、
    (前作の獄門島が究極のこだわりセット/大道具舞台として)
    今回は「リザードマン」の設定を表現する上で
    最高の表現方法を選んだのだなあ、と納得でき、
    そこからは純粋に物語を楽しむことができました。
    開演前に読んでいたパンフの中でも
    「あれだけ個性的なキャラ設定をどうやって表現するのか?
    (演技でどうこうなるレベルではないだろう)」
    と思っていましたが、
    あの演出効果で見事にそれぞれを表現されてました。
    (蜘蛛の巣、壁と同化、とても強い鱗、イルカ、などなど)


    そうやって中盤以降物語に集中は出来たのですが、
    しかし、全労済ホールスペース・ゼロはあまりに広すぎる、
    演者さんの必死の演技もあまりの距離の遠さに
    自分には体感/共有できないものがありました。
    (あくまでも遠くから眺めている、という感覚でした。)

    途中、イルカと組み合わされた女の子の「1度だけ心を覗いてしまった」
    というくだりあたりでかなり涙腺が緩みましたが、結局その他の場面は
    (お話の設定自体に自分があまりのめり込めなかった事もあり)
    結局お話に気持ちが入っていかず、
    舞台を眺める第三者、というか、気持ちがかなり遠かったです。
    (演目にもよるのでしょうが、自分には今回の舞台は
    前進座ぐらいの大きさが限界だったかなあ、という気がします。)

    また、これ以上ない演出方法も、多用しすぎで
    どこがどう良かった、という気持ちが分散されてしまった感があります。
    それぞれの場面で「おおっ!ここでもか!」という気持ちと、
    同じく「ここもか・・・」という気持ちが両方あったのは確かです。
    (もう少し厳選して使ってもらえたら、きっと「アレはすごい表現方法だ!」
    とソコを褒め称える事も出来たのでしょうが・・・)

    PS.悪い意味でなく、子供達がこの舞台を観たら大喜びして、
      舞台の世界に興味を持ってくれたんじゃないかなあ、と思いました。
      そういう意味で、毎回は食傷してしまうとして、
      その舞台内容に合わせて「また演出の限界に挑んで欲しいなあ、
      今度は子供に観せたいなあ」と思いました。

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    2013/06/02 21:10

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