満足度★★★★
初心者にもとっつき易い感じ?
旗揚げ公演作品17年ぶりの再演ということで、確かに最近の中・上級者向け(?)の「純文学っぽい雰囲気」とは趣を異にして、初心者にもとっつき易い感じ?
当主が亡くなり長男・次男・次女が遺された家に、10年前「ふくえゆめい」になった長女が探偵に連れられて戻って来るが一切の記憶を失っており…というサスペンスタッチの物語で、記憶を失ったままの女性は本当に長女なのか?だとすれば記憶は蘇るのか?的な興味を引きつつ、記憶とは何か、その人物であるとはどういうことか、などに言及し、キモは「メロドラマ」(なのか?)という組み立てが巧み。
また、この小屋の特色である吹き抜けとなった舞台を囲む上の階の回廊も使う(しかも死角となる客席用にビデオモニターも設置)演出や、終盤の燃え盛る別荘を表現する照明効果、それにエピローグの「今までどう生きてきたかではなくこれからどう生きて行くかが大事」という台詞なども印象的。