満足度★★★
むずがゆい可笑しさがクセになる
王子小劇場を横長に使って5つの演技スペースを設けた、春の一夜のお話でした。20代前半の若者なら誰もが経験するであろう恋や将来の悩みを描いた、イマドキの青春の1ページ。シリーズ名にあるとおり、若くて初々しいタレントさんが出演するトレンディー・ドラマ的な世界を実現していました。
“胸きゅんなトキメキ”と“なりきりおバカ”の境目をしたたかに狙っているんだと思います。私はまんまとハマった派(笑)。「あ~、こういうコ、いるいる!」と思いっきりうなづいて、勝手に連帯感。本当はドラマで見たことがあるだけで、会ったことはないのにね(笑)。
若い役者さんがセリフの後でクスっと照れ笑いをしたり、思わせぶりにうつむいたりする演技が可笑しくてたまりませんでした。この、むずがゆいような、くすぐったいような可笑しさはクセになりそう(笑)。
ただ、演技にしても演出にしても、完成度はもっと高めて欲しいところ。例えば役者さんの演技をもっとわざとらしいものにして、作品の意図をよりわかりやすくしても良かったのではないかとも思いました。そのへんの調整は難しいですよね。