花のゆりかご、星の雨 公演情報 ENBUゼミナール「花のゆりかご、星の雨」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★


    ストレートな作品。

    ネタバレBOX

    アンティークショップ店長・ユトリ(井上嵩)が予約されてた品を友人のトウジ(上野恭介)に誤って譲ってしまった。荒れた生活をしていた過去、おばあちゃん(神谷柚里)の形見の品を質に流してしまったこと、母(新菜彩乃)の手術を明日に控え、それを持って会いに行くことを打ち明ける、ハルタミキ(本間玲音)。品がおばあちゃんの物か確認すべくユトリの能力(品物から過去を辿る)で過去を見たミキは、品をトウジに渡し、ひとり母に会いに行くことを決意する…。

    外聞を気にするおばあちゃんと衝突する、駆け落ちした母。芯のある子に育ってほしいと「幹」とつける母の願いと、おばあちゃんが例の品を母に託す気持ちを感じるシーン。
    さらに遡って、終戦直後、おばあちゃんとおじいちゃん(小林弘幸)のシーン。パンパンで身を削りながら生きるおばあちゃんに結婚を申し込むおじいちゃん。複雑な女心を100パーセント読んだワケでもないけど、おばあちゃんの心と表情がちょっと緩む。

    親が子を命名する時って、自分に無いものを得られるよう命名するってきいたけども、駆け落ちして不安に押しつぶされそうな(それでいて強気で振舞う)母の心と、生きるために外聞を気にしてられないしどうでもいい男と思ってても結婚するって決意した(実務的な)おばあちゃんの心をミキが素直に汲み取るって構図自体がやさしい。なんか心洗われる。

    話も音響照明も、常にシンプルなつくり(公演目的が演技発表だからだろうけど)で気に入った。
    演技は、キリコ役の阿部紗穂里がナチュラルに見えて良かった。全体的には、緩むとこと緊迫するとこのメリハリがほしかった。

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    2013/05/12 21:22

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