『ピャー』は普通の若手劇団になるな
『ピャー』よ、君はどこへ向かおうとしているのか。
発足時からの中心メンバーの姿が消え、新たに多摩美大の演劇サークルメンバーら客演で陣を固めた。
確かに、今までが「生き方を変える強烈な演劇」だったのであり、その強烈さが抑えられても なお『ピャー』は日本の世界遺産候補である。
しかし、が、しかし、今回の舞台は、数々の前代未聞を築いてきた『ピャー』に相応しかったか。
塚本さんよ、あえて問おうじゃないの。
『ピャー』の精神世界が、防護ネットを被せられたまま、発揮できるのかいな?
1人の“わたし”が、自分を客観視するロードから抜けられない。
外国人に 米粒付けられ、巨大な生命体が襲来、 という極度な環境のために、色々な“わたし”が話す、そして殴りあう。
現代社会の、確実に存在している一部を見せつけられたぜ。ゴチャゴチャなようで、実は全体としては単一化が進行している。
プレトークでドラマトゥルク•野村政之さんの話が出ましたな。野村さんとはメールの やり取りしたことがあるが、社会の中の劇場の在り方を考えてる稀有な人だ。
宗教劇団ピャーは、社会に訴え掛けるのではなく、あるいは社会の一部を劇場に映し出すのではなく、もう、『ピャー』でいて。
二次元を一つのスペースで 演劇(や)ちゃって。