満足度★★★★
劇団14歳の輝きが戻り終始一貫して目が離せない美しさがあった。
劇団14歳 第3時限目 サクラにままごと
ついに,第3時限目に到達した。劇団14歳は,わたしに演劇のおもしろさを教えてくれた場であった。これは,非常に単純で,いくつかある入口のひとつとして偶然「演劇」のおもしろさに気がついたというに過ぎないだろう。しかし,その後,すぐ近くのジュンクドウで演劇の本を買って読みながら,池袋シアターグリーンが私の学校になった。「山に登る」の出だしで,明るくなってすぐ,登山服の少女が机にあがって,説明するシーンを私は,決して忘れないだろう。
さて,前回の「修学旅行」でださいジャージで布団の近くで,展開されるシーンは,少しテンションが下がったが,今回は,最初から,劇団14歳の輝きが戻り終始一貫して目が離せない美しさがあった。彼女たちの殺陣(たて)のレベルはともかく,テンポ良く美しかった。
今回は,日程が混んでいたので一度しか観てないので正確な描写はできない。タイムスリップして,滅私奉公の戦国時代に迷いこんだ中学生が,なぜか,その仲間にとけこみ,死ぬことが使命であった女子たちに熱く恋の話を伝えた。どたばたどたばた,ぜいぜいはあはあ,狭い舞台を走りまわるのは,転びそうで危ないと思った。実際,暗がりで鼻をぶつけたのは主役の「朝倉ふゆな」だったようだ。
このように,美しい,ただただ美しい少女たちのイメージをぶち壊すのは,演出家そのものの,カラオケ・タイム。しかし,まあ,グロテスクな化粧の男のゆくえで,逃げ惑う少女たちを見るのも,珍しい体験か。たしかに,舞台というのは何が起こるかわからない,何かのハプニングに,居眠り始めた観客もみな目を大きく開いて注目する効果もある。歌もなかなか上手だった。また,今度どこかのステージでお目にかかりましょう。