今ひとたびの修羅 公演情報 シス・カンパニー「今ひとたびの修羅」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    東映の任侠映画みたいな舞台だった
    大正から昭和に変わろうとしている時代の話。
    主要キャストの被りとヤクザで任侠モノというと、コクーンで上演された「シダの群れ」を思い出すが、しっかり「いのうえ任侠道」が息づいていた。どこかしら、主要キャストと新感線固定キャストと演出?に温度差の様なものがあったけど、回を重ねて見たらそれも払拭されたのかな。残念ながら1回きりの観劇では違和感しか残らず。
    殺陣捌きはいつもながらカッコ良い。そして新感線では味わえない渋さのような見栄え。ただ、この舞台でいつもの新感線で使用するような効果音は不要な気がした。
    約5年の月日で起きた、男と男、男と女、男と男と女の三角関係のやり取りをスピーディに見せているが、大袈裟なやり取りもこの時代物ならではのメロドラマ、と言う印象。
    女優3人の役割がそれぞれ良い。瓢吉とお袖のシーンに思わず目頭ウルウルきそうになった。

    ネタバレBOX

    新国立劇場で任侠もの、シスカンパニーの演目のチョイスは毎回よくわからない。
    タイトルバックの幕が出たなら、最後には「完」って垂れ幕も出して欲しかったかなw。
    客席通路を頻繁に使用、新橋演舞場や明治座の花道だったら、カッコ良く見えたかも。

    おとよ。好きな男へ気持ちを全面に出してその存在は儚げなんだけど、3年位待てなかったのか。でも、そこが男心をくすぐるんでしょうね〜。
    スタイルは良いけど身体が薄いので、芸者姿ではちょっと補正した方が良かったのでは‥却って貧相に見えた。
    お袖。感情を表に出さず、内に秘めて男を支え愛し抜く姿勢は、タイトルの修羅にも通じているのかな。小池さんの青海波模様の和装姿が似合って素敵だった。
    照代。この時代のハイカラな婦人像。プライドの高さと不器用さがまたかわいい。
    吉良常。舞台の核の様な人だった。このひとが舞台の世界観を決めていたのかも。

    吉良常さんが飛車角に歌を勧める時、伝説の「祭り」を思い出してしまった、新感線ファンの悪い癖。「黒田節」だったけど、黒馬先生の踊りと共に良い場面で良い小節廻し。堤さんの存在が格好よかったのは言うまでもない。
    全体的につまらない訳ではないけど、あっさりと見終わって、それほど印象にも残らない作品だった。

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    2013/04/26 02:40

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