鉄火のいろは 【観たい!コメントorツイッター呟き で特製バッチプレゼント☆】 公演情報 蜂寅企画「鉄火のいろは 【観たい!コメントorツイッター呟き で特製バッチプレゼント☆】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    時代劇「で」描き出すもの
    幕末の江戸を舞台にした物語、
    その顛末に惹かれつつ、
    でも、単に時代劇を紡ぐのではなく、
    時代劇から紡がれるものに心を奪われました。

    ネタバレBOX

    この劇団が従前から持っていた、
    時代劇的な見せ方や語り口のリズムやふくよかさが
    今回もしっかりと担保され、
    決めどころでのメリハリをしっかり持ちつつ、
    紡がれる時間や想いが繊細に広がっていく。
    シーンごとのミザンスの作り方や殺陣もよく研がれ、
    舞台の近さにぐいぐいと引き込まれて。

    顛末を骨太に、
    粋を粋として、華を華として描き出す、
    役者たちの気概や強さに惹き込まれていく。
    時代劇的な手法で、
    役者達が刹那ごとに紡ぐ想いが、
    観る側をしなやかに幕末に招き入れ、
    その時代が「今」としてビビッドに舞台に折りあがっていく。
    作り手の語り口にも、従前の作品以上のメリハリが生まれ、
    観客を魅せる。

    そして、時間の構造や景色の描写に、
    その「今」は、もう一歩踏み込んで
    刹那ごとの空気や肌触りのいとおしさへと至るにとどまらず、、
    その時代から連綿として繰り返される
    時間を呑み込む出来事と再生の俯瞰へと
    昇華していくのです。

    地震や大火、さらには戦火で焼けた江戸の、
    そして東京の街たち、
    そこにあった個々のさまざまなものへのいとおしさと、
    そのノスタルジーからさらに歩を進める姿が
    この国の今のありようとなり、座標となり、
    すっと物語に重なる。
    それは、今を今で描くほどあからさまではなく、
    でも、だから、受け取りうる感覚があって。


    従前の公演から比べても、
    作り手は時代劇「を」ではなく時代劇「で」描く力を
    手に入れたように感じた。
    時代劇のために時代劇を作るのではなく、
    時代劇を通しての描く作意が作品にはあって、
    だからこそ、台本にもそれを舞台に乗せる役者たちにも、
    表層の形式に窮屈になるのではなく、
    その表現だから描きうるものの深さや広がりが生まれていて。

    こういう作品を見せてもらえると、
    単に時代劇のテイストを楽しむということではない、
    もっと広く大きな作り手の描き出すものへの興味がググッと増して。

    劇団の、そしてこの作り手の、
    今後の公演が楽しみになりました。

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    2013/04/14 01:07

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