長い墓標の列 公演情報 新国立劇場「長い墓標の列」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    いまこそ問われるべき作品
    1957年初演の作品で、舞台設定は第二次大戦前夜~戦中という作品だが、今の社会状況の中でこそ問われるべき作品。

    とにかく、その脚本の豊かさ。

    安易にどの立場が正義だと押し付ける類の作品ではない。

    この作品の中で問われていることは、私(たち)自身が今日問われていることである。

    ネタバレBOX

    作品のラストは、時代に正面から抗った主人公の山名教授ではなく、山名と決別し真逆の立場をとった教え子城崎の台詞で終わる。
    正確な台詞は覚えていないが、主旨としては「時代の流れ、つまり歴史は抗いようのないものであるが、その流れを作っているのが私自身でであるなばら、私はその責任を認め、加担者である負い目を背負いながら生き続けよう」というような内容。
    この作品の主人公は、私には城崎に見えた。そして、それは私(たち)自身だ。

    また、極めて重要なのが、山名の娘の最後の告白。
    時代状況を考えれば当時の女性、しかも娘という立場の言葉は、声なき声、その言葉が強く印象に残った。

    とにかく脚本が素晴らしい。

    演技や演出も素晴らしかった。


    結局、作品の強度を支える一番のものは、作品の時代への問いかけだと思っているのは、私が古い考え方を持っているからだろうか、、、。

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    2013/03/21 23:45

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