馬のリンゴ 【3月15、16日 アフタートーク決定】 公演情報 ワワフラミンゴ「馬のリンゴ 【3月15、16日 アフタートーク決定】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    一身上の都合で全てはわからないけれど・・・
    冒頭の身体での表現にまず捉われ、
    シーンごとのひとつの所作や言葉から
    女性たちの、このメソッドだからこそ表現しうるであろう感覚が伝わってきて。

    もし戯曲で読んだら、
    きっと突飛に思える踏み出しも、
    役者たちが組み上げる空間に置かれると、
    単に言葉そのもののニュアンスを観る側に伝えるのではなく
    そこに紐づいた感覚や想いを細微に組み上げて
    観る側を淡く、強く、ぼんやりと、でもくっきりと
    その時間に染め揺らす力があって。

    幾色ものとても自然でつかみどころのない想いの肌触りに
    深く浸されてしまいました。

    ネタバレBOX

    フラスコはウナギの寝床のようなスペースで
    入口からの細長い空間の奥に一段高い畳敷きの場所があって。
    入って右側が客席に、
    左側にもベンチなどが並べられ舞台に供されて。

    冒頭、畳の部分に一人の女性が現れます。
    その身体で紡ぎ出される感覚に一気に取り込まれる
    しなやかで、内にあってのびやかで、起伏があって、
    繫がれて凛とし、解き放たれて快活で・・・。。
    ダンスの精度に裏打ちされた所作や表情が醸す、
    刹那ごとの瑞々しさとふくよかさに目を瞠る。
    そのシークエンスは、
    入口側に現われた二人の女性に引き継がれて。
    想いと身体が縒り合されるよう。

    そこからの展開というか、描かれていくものには
    男性には直接にわかりえない感覚も多々あって。
    でも、その感覚を抱える女性の想いが
    舞台に置かれ、紡がれるものから
    突然にすっと透けて垣間見える。
    女性たちだけの内緒話を漏れ聞いてしまったような感じがあって、
    でも、描かれているもののトリガーに気づき、
    舞台に置かれ表されたものの寓意が解けると、
    その躰と心がひとつの世界に交わって
    織り上げられる様々なシーンの暗喩するものが、
    きっと全てではないのだけれど、
    むしろすべてでないがゆえに、
    男性にもとてもナチュラルに伝わってくる。

    ひと月の日々のなかに訪れるものや、満たすもの、
    心に居続けるものや、鬱屈や、慰安や、逃避や、ピュアな欲望や、
    どこか不安定であいまいな開放や希望までが
    立ち上がり、突然歩みだし、さらに踏み出して。
    表見上、不条理にすら思えるそれらの、
    舫がふっと解けると、
    女性が女性であることで抱くものの、
    あるべくしてそこにある
    男性すら受け取りうる
    洗練されたあからさまさのようにも思えて。

    吸血鬼撃退の道具にしても、場所にしても、
    片方が連れ去られることにしても・・・。
    隠れ、出ることにしても・・、
    男性が持つ知識であってもすっとはまる。

    その吸血鬼の噛み方や、寄り添い方、
    さらには供される飲み物に対する感覚などは、
    男性にとっては柔らかな驚きや、
    気付きでもあったりして。
    でも、それらが、生々しくならず、
    しなやかに削ぎ研がれ、
    透明感すらもって訪れてくるところに
    作り手一流のウィットや、
    表現の豊かな洗練を感じて。

    ラフなようで、観客の咳ひとつで
    場の空気がかわるような繊細さを持った舞台を、
    強かに背負う役者たちの様々な筋力にも
    舌を巻く。

    終演時には、
    一人の女性の内なる心と体の
    緩やかな俯瞰と存在感がしなやかに残って。

    正直なところ、
    たとえば家賃と床下から取り出してくる封筒など
    空気のテイストに惹かれつつ、
    描かれているものが分からなかったりもしたのですが、
    でも、たくさんのことを受け取りつつも
    分からないことやぴんと来ない部分もある、
    その在り様こそが、
    男性に供されたこの表現たちの秀逸にも思えたことでした。

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    2013/03/17 09:30

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