focus#3 円 公演情報 箱庭円舞曲「focus#3 円」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    やはり本編あってのスピンオフ
    Intro、track1~10、Interlude、Extra Trackの13章から成る小品は
    登場人物や人間関係が細い糸で繋がりながら展開する。
    ”本公演を観ていなくてもお楽しみいただける”と言っているが
    少ししか観ていない私には、その面白さが6~7割しかわからないような気がした。

    ネタバレBOX

    舞台を囲むように客席が3ブロックに分けて作られている。
    舞台上手の高い位置に排水溝のような丸い横穴が開いており、
    そこから滝のように大量のがらくたがあふれ落ちている様が印象的。
    人形、ホース、ゲーム機、家電、etc.まるで人生の縮図のような生活の残骸。
    床には丸い円がいくつか描かれている。

    個人的には「Interlude」の、一人称で人生を語っていくのが面白かった。
    リレー形式で複数の役者が語り継いで行く演出で
    バトンを渡す時には二人が同じ台詞を同時に言うのだがタイミングも良く面白い。

    「Track10」の死んで行く妻(片桐はづき)の苦しい声をバックに
    葬儀の挨拶をする夫(玉置玲央)がリアルで胸に迫った。
    「Extra Track 人生の終わり」の、火葬場のシリアスなシーンで
    人間のこっけいさを見せるところ、古川さんはこういう場面が上手いと思う。

    小玉久仁子さんが出て来るとキョーレツなインパクトにその場が持って行かれるが
    ちょっと勿体ない使い方をしているような気がした。
    小玉さんはエキセントリックな言動の裏にある深い心情を表現できるすごい人だと思うが
    短い作品ではその“裏の心情”を見せるひまがない。
    本編を観ていないと、そこが偏ってしまうのが残念。

    私は箱庭円舞曲の作品を2つくらいしか観ていないので
    スピンオフの面白さがわからなかったのかもしれない。
    「スピンオフ」は、やはり本編あってのスピンオフであり、
    箱庭をずっと観て来た人にはもっとその“番外編”っぷりが楽しいだろうな、と感じた。

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    2013/03/03 10:55

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