満足度★★
センチメンタルな断片
特徴的な台詞回しや身体表現を用いて断片的なエピソードを繋いで行き、失われていくものに対しての悲しみが浮かび上がって来る作品でした。
各エピソードの頭に「○○の話をします」と言って始まり、時には全然その話になっていないエピソードもありつつ展開し、話が収束するわけでもクライマックスがあるわけでもない、不思議な感覚が新鮮でした。中盤からはしんみりとした雰囲気が支配的で、あまり物語的に動きがないので、少々退屈に感じました。
受付やオペレーションのスタッフがさらっとパフォーマンスに加わっていたのがユーモラスで良かったです。
奥の壁や床面に映し出された、絶えず動き続ける抽象的なグラフィックの映像が美しかったです。特に流れるような多数の線が体を照らして変化する様が印象に残りました。キネクトを用いたリアルタイム処理の映像だったそうなのですが、何をトリガーにしているのかが分からず、もう少し関連性がハッキリと見えるシステムの方が良いと思いました。
音楽も良かったのですが、音量が少しだけ大き過ぎて台詞が聞き取れないことが何度かあったのが残念でした。