少女仮面 公演情報 オルガンヴィトー「少女仮面」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    唐十郎の古典的名作
    会場のin→dependent theatre 1stは地下鉄恵美須町駅すぐの、本当に小さな劇場。通常はキャパ80名らしいが、この公演では舞台を広くとったらしく、席数は40ほど。

    もう公演は終了しているが、以後はネタバレで。

    ネタバレBOX

    天井には隙間なく濃い青の紙花が飾られ、舞台中央にはタイル貼りのような模様の風呂桶。劇場は地下ではないが、地下にあるという喫茶「肉体」の雰囲気はよく出ていた。風呂桶の中には本物の水。もちろん、物語の重要な要素となる蛇口からも本物の水が出る。ラストには春日野の頭上から水が降り注ぐ。

    音楽は録音もあるが、歌の部分はボーイの一人が店にあるキーボードで演奏する、という設定。

    ボーイ主任のタップはうまかった。これもまた物語の重要な要素となる腹話術も巧みだった。人形と腹話術師の入れ替えを、演技でやって違和感がないのはなかなかの技術だと思った。貝の「キャサリンドレス」と髪型は・・・緑丘貝の時の若さ、みずみずしさが生きず、残念。

    いろんな面で力の入った舞台だったが、春日野が「男役」でないことが、すべてをリセットしてしまう。
    もちろん演技は「男役」なのだが、ロングヘアであること(それだけではないが)をはじめとして、春日野が外見上女に見えてしまってはこの物語は成立しない。それを凌駕する演出上の工夫があったとは思えない。

    衰えていく肉体と無邪気な残酷さ、虚像と実像、そういう「演技」「役者」にとって普遍のテーマの、「男役」は重要なモチーフなのだ。そこをもっと大事に上演して欲しい。

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    2013/02/03 10:57

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