めくるめくセックス 発酵版 公演情報 シンクロ少女「めくるめくセックス 発酵版」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    フィジカルな愛とおやすみプンプン
    正直言うと、自分の両親が、父親が死ぬまでいつもずっと一緒にいるのを見ていたせいか
    (父親が元気で、自分も一人暮らしをしていたころは
    自分が家に帰ると両親二人で一緒にテレビを見ていたのをよく見たし、
    父親が死ぬ前は母親が行ける限り毎日病院にも行っていた。
    仕事が終わって病院に行くと毎日母親が父親の横にいたし、
    仕事が遅くなっても、いた。
    ・・まぁ数え上げればきりがないんだけど)
    自分の中での愛の基準が高めなのもあるのかもしれないが(苦笑
    あくまで自分にとってはなんだけど、
    この舞台の上には、最後の例外を除いては愛は存在しなかった。

    ・・どれが愛で、どれが愛じゃないか、だなんて
    偉そうに言おうだなんて気もないんだけど(汗
    あくまで、「観客席で自分が肌として、目の前のものが愛として感じらたかどうか」と言うことで。

    ネタバレBOX

    舞台の上で男性の優しさと見られるものは、
    自分がよく目にする、
    「自分はこんなに優しい」
    と、口では言いながら
    それまでの彼の人生を通してみると
    優しさとは違う、
    何かのしたたかさ、問題回避能力とでも言えばいいのか、
    ある意味で弱さの裏返しのようなものであったりする。

    また、舞台の上で男性の純粋さと見られるものは、
    独りよがりの理想の押し付けであり、
    自己愛や宗教以外の何物でもないもので
    (両方とも別に嫌いって程じゃないケド(苦笑
    簡単に女性に対する敵意や
    その女性が好意を寄せている(と見られる)男性への嫉妬・殺意に反転する
    実は極めて危険な代物だ
    (僕の中ではただのテロです。そういう女性とも一生関わりたくないと思えるほどに(そんなんで死んだら、あの世で亡父に申し訳が立たん(苦笑

    なお、見当はずれの嫉妬からくる暴力は、
    優しいだけの人間として描かれているハズのキャラクター(男性主人公の弟)にも
    男性の一般的な姿として描かれているようである。

    子供への愛でつながっていると思われる夫婦は、
    (これが一番愛に近いのかもしれないが)
    なんか父親はSMクラブに入り浸ったりしてみている。
    欲望や好奇心を抑えられないという意味では、
    やっぱり弱さと受け取られても仕方がないように思う。



    一人、自由人?としてジローなる人物が登場する。

    実際、目にすると凄く鬱陶しい人物ではあるのだけれど、
    多分、本人もそのことを意識している。

    一見、無神経で雑だが、
    多分登場する男性のなかで一番気配りができて
    仕事が良くできる人間だと思われる
    (仕事は多少無神経になれるくらいでないと務まらないと思う

    やることは大雑把だが、一番傷つきやすい人間だと想像した
    (逆に仲良くなると一番大変なタイプかもしれない

    後輩が自分勝手な思い込みでフラれて
    自分に当たっても、
    イヤな顔ひとつしない。

    ハッキリ言って苦手なタイプだが(苦笑
    人間としては理解できる。

    少なくとも他の男性キャラのように、
    自分の弱さ(誘惑に勝てないのを含む)やコンプレックスを言い訳にして
    ゲームやSMクラブに逃避したりしない
    (ジローがゲームをしているのは楽しいからだけだと思う

    この物語の男性登場人物の中で、
    もっとも女性に心情が近いキャラクターだと自分は思った
    (たぶん脚本家は一部の女性の心情を、敢えて男性に代弁させているのではないか(笑
    少なくとも、悶々とする後輩に「おやすみプンプンでもみて寝てろ!」とハッキリ言える(なんて優しい言葉
    そういえばラストシーンでなんか、その後輩が本読んでいたようだったけど、
    あれは「おやすみプンプン」だったのかなぁ・・。



    女性と交流がある男性キャラクターのなかには、
    強さとみられるは箇所はほとんど描かれていない。

    唯一、主人公と思われる男性が、
    弟の恋人に言い寄られてもそっけなくする場面(男性の態度は終始冷め切ってる)が一見するとそのように見えるが、
    あれは強さではなく、
    相手の心に対する無関心だと思う。

    その証拠に、
    寝たきりだったはずの奥さんが起き出すと、
    急に従順な下僕に変貌する。

    男性の強さがほとんど描かれないからこそ、
    終盤のプロレスによるフィジカルなやり取りが映える。

    夢の世界から抜け出てきた奥さんは無言だが、繰り出す技が言っている(笑

    的確に相手の急所をつく攻撃(致命傷になるかもしれない
    武器(椅子)を使った極めて危険な攻撃(ちゃんと外れるようにはなっているんだろうけど(笑

    夫もそれに耐え、容赦無い攻撃を繰り出す。
    しかし、そのどれもが、微妙に相手の急所を外れているようにも見える。

    女性のそれに比べると、相手を倒すための攻撃ではなく、
    自分の熱量を伝えるための攻撃に見える。

    女性は、相手に激情のままにぶつかって、
    それでも相手が最後まで自分の前に立っていられるのかを品定めしているようでもある。

    別にDVを推奨している訳ではなく、
    胸を真っ赤にしながら女性の平手打ちに耐える
    (しかし顔を殴られると耐え切れずに倒れ込む(笑
    様子に、それまで感じなかった、
    男性の強さと弱さが表れているようにも感じた。

    男性が弱いままだと、愛は成立しない。

    女性の容赦ない攻撃に耐えきって最後まで立つ人だけが、
    サイゴに愛を語るに値する。

    舞台はそう語っているようにも見える。

    前回公演で割と賛否があったような気もするので、
    今回はざっくばらんに書いてみました。

    でも、この劇団、実はマジメな内容にも関わらず
    敢えて扇情的なタイトルを付けるのは、感想も書きづらいんでやめてほしいなぁ・・(苦笑
    王子じゃなかったら、自分もたぶん足を運ばないかもしれない・・(汗


    追記・

    宗教に似た感情を「愛」と呼ぶ人々(主に男性)も存在する。

    そういった人たちと話すとき、
    自分たちの熱情を「愛」と呼び、自分の両親の話などしても
    「そんなのは愛じゃない」と言う。

    そしてそういった人たちに限って、何故か極端な暴力に向かおうとする
    (友達だったんで止めたが。
    冷静に戻るまでは、共感してくれるのが友達だと言わんばかりだった。
    このように、何故か特に若い男性は阿呆が多い(個性的な人物もその分多いが

    「コイツらの親は、子どもたちがこんな意味不明な表情・目つきをしているのを見て
    心配しているんじゃないか?その心配を無視して
    信仰めいた愛(自分が捉えるところの)に突き進むことが、『愛』なのか?」

    日本語の通じなくなった彼らに疑問に思うことは多い。

    その誰もが、正気に戻ってみると(洗脳が解けたのか?
    いたって気のいい連中ばかりであったりする(あ、なんか戻ってきたな、でも元気なくなったな、と思う(苦笑

    自分は奇跡的に呑気な男子校で中学高校と過ごしたので
    そのころは全く気づかなかったが(苦笑
    大人になってみると、特に20代のうちの男性は
    一見、穏やかそうに見えても
    おかしな男性ばかりだ・・。

    自分が40代になった時、
    30代の男性についても同様のことを思うかもしれないので
    まぁ、聞き流してほしいんだけど・・(そういうの軽く聞き流してほしい、でも言う(苦笑

    0

    2013/01/19 11:32

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大