満足度★★★★★
うふふふふ
進行役の二人が長い竹を両腕に持って、それをあちこちに突き立てることによって「場」が変化していく。
特に『魔笛』という作品はいろんなヒトがいろんな場所でいろんな状況のもとに動いていくのでブルックのようなミニマルな形式で演出する場合はどうなるのかとても興味があったのだけれど、この「竹方式」はすごく面白かった。
かつての『カルメン』の時は(見てるってことでそれなりの歳であることがロコツにわかるな)もっとオペラちっくにそれぞれのアリアが処理されていて、ある意味原作に忠実につくられていたという記憶がある。
でも今回は何と言うか、とてもピュアな「エロス」に焦点が当てられていたような感じ。「愛」があり、それは難関を越えて結ばれて、豊かな子孫に継がれていって、そしてそれは万世共通に行われるべきまさに「生命」の営みなのだという理念が、とても柔らかな美しいトーンで語られていたような気がする。
というか、ピーター・ブルックの作品を見た後はいつもこういう気分になったなぁ…ということを思い出しながら考えていたから、よけいにそう思うのかもしれないけれど。