満足度★★★
ブラジル
赤坂RED/THEATERにて「イエスタデイ」以来のブラジル。
「軋み」の様なリアリスティックなブラジルの方が好みではあるのだが、今作や「怪物」の様な"B級ドフィクション"に振り切れている作品もなかなか良い。硬派な作品から虚構作品まで、幅の広いテイストを提供してくれるからこそこの劇団の評価は高いのだろう。「行方不明」というタイトルがとても良い。
ただ、櫻井智也さん演じる主人公の行動を動機付ける理由がかなり薄かったので、話にエンジンがかかるのがかなり遅くなってしまっていた様な気がする。リストラ、浮気と負の連鎖が起きたので、では過去を再訪問しよう・・・ではあまりにも弱い。話がどこへ向かっているのか、着地点はどこなのかが、ブラジリィー・アン・山田さんにしては珍しくぼやけていた感がある。
とはいえ、それが逆に現実と現実の間に挟まれた夢魔の様な時間を際立たせていたのかもしれない。まんまとやられてしまったか。