満足度★★★
11/11
「無差別」以来の柿喰う客。2007年の作品の再演。東京タワーにああいう劇場的なスペースがあるんだな。初めて知った。
うん、面白かった。柿喰う客という劇団の存在を知ったのは2008年の「俺を縛れ!」の時なので、それよりも前の作品を再演で観させてもらえるというのは嬉しい限りだ。
話の設定自体は雑なのだけれど、アイドルとテレビ業界の「汚れ」部分を、針を振り切った方向で畳み掛けてくる。2007年当時の劇団のエネルギーと方向性を感じる事ができた。あとはやはり音ゲー的なテンポ。「学芸会レーベル」の時の感動を思い出した。水槽の脳的な終わり方も、5年前の中屋敷法仁さんの思考錯誤が表れていていろいろと考えさせられた。
深谷由梨香さんの汚れアイドルは完璧だなあ。真っ直ぐしか見ていないイタさ。技も策も無く、力だけでなぎ倒していくイタさを極限まで表現できるのは、やはり深谷さん。
永島敬三さん、うまくなっているなあ。まだ演出に頼っている感じもあるけれど、素で持っている感性と反応の良さが更に表に出てくる様になったら、ナイロン100℃の大倉孝二さんみたいに化けるかもしれない。期待。