のど自慢 公演情報 ネコ脱出「のど自慢」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    脚本も役者もその他も面白かった!
    開演前に、役者1人1人からのプレゼントが抽選で配られ、内容の豪華さと元気なテンションに客席も元気良く返事をし、笑顔で拍手なスタートでした。
    のど自慢会場裏の制作さんのドタバタコメディとかをやるのかと思いきや、そんな浅いものではありませんでした(喜)

    ネタバレBOX

    プロローグ後現れたのがじゃりんこチエ(漫画)のテツのようなビシュアルの、大阪ミナミのヤクザの親分。小さな寂れた島に台風と、のど自慢と、元ヤクザが同時上陸してしまいました。

    ヤクザ親分子分、のど自慢のTVディレクター2人と司会者タレント、島のとある一家の話、主人公の過去、のど自慢会場…という主に5つステージが入れ替わり立ち替わり、細かく場面転換します。全員が同じ島内にいる訳だから、それぞれの組合せの人物同士がよくすれ違い、接触が多く、絡んでいくわけで。

    脚本家の方は頭の回転が素晴らしく良い方なのではと思いました。しかも、登場人物全員が温かみと人間味と個性を併せ持っていてハッピーエンド。見終わった後元気とやる気が沸き起こりました。

    更に感嘆したのが、上記のような細かい場面転換を、コンパネ板(?)にローラーつけた板を壁などに見立てたものを自由自在に移動させ、背景と舞台美術を兼ねたところです。板を役者複数人が後ろにピッタリくっついて素早く移動させ、捌ける役を隠したり、板を裏面(屋台や民家やテレビ局の壁面絵)にひっくり返したり、複数枚繋げて一面の壁にしたり、自動ドアにしたりと、実にバランスよく、テンポ良く転換していました。背景を書いた絵よりよほど躍動的でデザインもとても良かったです。

    役者さんは全員素晴らしかったです。
    中でも、元ヤクザの一行(高倉さん、宮吉さん、新城さん)はキャラクターに徹していて、とても生き生きして見えました。親分は声の掠れが心配になりましたが、ボケやツッコミの間が良く、なつっこいお爺ちゃんのような言い回しをちょくちょく挟んできて、クスクス笑わされました。

    司会者の徳田(朴さん)というキャラクターが、「のど自慢というのは一般の視聴者の熱い想いがつくりあげているんだ。僕はそれを大事にしたい。最高の番組にしたい」という姿勢を穏やかに(時に熱く)貫いていて、目に包容力があり人情味あるのが胸を打ちました。

    ディレクター江田(宮下さん)のチャラ男言語、現代語、アニメ比喩、物まねなどのキテレツなキャラクター設定が、徐々にかっこ良くすら思えてきたのが不思議です。物語の芯のストーリー、主人公(今泉さん)の成長がちらと見え、元ヤクザも皆足を洗ってるし、地元では新たな愛が誕生しそうだし、希望を感じさせるラストでした。


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    2012/12/26 00:48

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