欺瞞と戯言 公演情報 トム・プロジェクト「欺瞞と戯言」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    あまり響かなかった
    トム・プロジェクトの作品は、手堅くそれなりにいつも面白いのだが、今回はイマイチ響かなかった。

    ネタバレBOX

    元華族であった、ある財閥の家族の話。

    「品性」と「体面」というキーワードから、「元華族」という設定にしたのではないだろうか。
    それがなんとになくピンとこないというか、しっくり合っていないように思えた。

    台詞はいいし、役者もいいのだけど、物語自体がそれほど面白くなっていかない。実在感があまりにも乏しいからではないだろうか。

    2人の男に求婚され、息子のみでなく、義理の娘にも頼りにされる、つまり、登場人物全員に便りにされるこの家の妻という設定が、どうなのかなと思うし。
    それが破綻するわけでもなく、彼女の回りをいろんなモノがグルグル回っているだけ。

    自殺のシーンも、舞台の上にわからせるために、窓から外にぶら下がるのだけど、これは違和感が大きい。
    誰も驚きはするけど助けようともしない。
    不自然ずきる。すぐに「降ろせ」「医者を呼べ」となるだろうに。
    諦めてしまうのが早すぎる。

    こうした細かい(いや、細かくないな)ことの積み重ねで、リアル感が乏しくなっていき、舞台の上が絵空事になっていく。
    もともとの元華族なんていう設定も、いろいろな劇中の積み重ねで観客を説得していかないといけないのに。

    一番なんだかなーと思ったのはラスト。
    ラストの台詞はやけに陳腐だし、「死」と「生まれ来る生命」という対比もありきたりでつまらないと思った。

    「復讐の連鎖」とか「いじめ」とか「民主主義と多数」とか、「原発」までも無理矢理入れ込んできた印象が強い。そんなキーワードをなぜ無理に入れたのか、と思う。入れ方がうまくない。

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    2012/12/17 14:30

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