心の病ちゃん 公演情報 スマッシュルームズ「心の病ちゃん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    大満足!
    椅子がゆったりしていて観劇にはとてもいい。後ろの老夫婦は声を出して芝居に相槌を打つし、隣の女の子は靴脱いでるし、居間みたいでした。乾燥か虫か、ちょっと痒かったのが残念です。でも飴やマスクを用意してくれた劇団の心遣いは嬉しかったです。

    ネタバレBOX

    震災を題材とした作品は多く作られたようですが、とても良く出来ていました。想像しか出来ませんが、震災で知己を失った人は、主人公のように悩み、苦しむと思います。本作は、そんな人達に希望を与えるものであり、普通に生きている私達も勇気をもらいました。

    終盤の死神の鎌の下りが秀逸でした。死に神が鎌を忘れて帰る場面で納得しかけましたが、大の大人が立ち直るには、一度死ぬくらいの経験が必要だと思います。この主人公が遠からず自堕落な人生に逆戻りすることも考えられますが、苦労して立ち直ることを信じます。

    役者の演技も素晴らしかったです。それぞれピッタリの役でした。宮城は、ダメな主人公が立ち直る過程を丁寧に演じていたと思います。蘇りを望む場面で、宮城の生への渇望が見えました。入れ替わりも良かったです。栗原は、しっかりしているようでいい加減な親友役を好演しました。場の空気を変えるのが、とても自然でした。宮城を説得する場面では熱演に涙を誘われました。

    美里は、ちょっと不思議ちゃんにピッタリでした。宮城の為に土下座するシーン、最高に泣けました。名取は、浮気相手をとても良く演じました。強かに、飄々と生きている女性の雰囲気がよく出ていました。石巻は、闇金なのに人情派で、ビビりなのに必死に去勢を張って生きる様子が、よく伝わりました。宝塚は、難しい役回りを見事に演じました。独特の動き、言い回しで他の死者との差別化を図りつつ、終始、役に忠実に振る舞う様子に好感が持てました。

    演出では、主人公の心の移り変わりが分かりやすく表現されていました。舞台装置、照明、音響も工夫が凝らされており、申し分ありませんでした。敢えて苦言を呈するとすれば、震災の時期が晩冬だったのに、衣装が薄いのが気になりました。室内で被災したにせよ、室内着も当時は厚手だった気がします。

    また、芝居の設定は震災一ヶ月後なのに、ジョブズが天国にいるのが疑問でした。ジョブズはもっと後に亡くなった印象があります。細かいところでは、美里と栗原の浮気に違和感がありました。全体的に、死んだ人の悩み、苦悩が性的な部分に偏っており、薄っぺらさが感じられます。ただ、込み入った苦悩を限られた枠で見せることは困難でしょうし、本作は生死をテーマにしているので、このままでもよいと思います。

    とても楽しく拝見しました。もっと多くの人に見ていただきたい作品だと思います。

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    2012/12/15 15:24

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