浮標(ぶい) 公演情報 葛河思潮社「浮標(ぶい)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    やっぱり面白い
    1年以上前の初演も観たが、それでも面白い。見応えあり。あっという間の4時間。
    役者が変わったことで、若々しさ(生)がクローズアップされた。

    ネタバレBOX

    4時間もの大作で、初演からそれほど時間も経っておらず、役者が一部変わったようだが、セット等には変化はないというので、ひょっとしたら前ほどの面白さを感じないのではないか、などと思っていたら、違っていた。

    やはり4時間釘付けで面白かった。

    役者が一部変わっただけでなく、演出(照明を含め)には、初演に比べてエモーショナルな印象を受ける。特に照明の効果は大きいのではないだろうか。
    そのためか、泣けてしまうシーンが出てきた。

    「泣けてしまう」ということは、この戯曲が本来提示していることと、どうなのか それでいいのか、などと上から目線で考えてしまったが、これも演出家の解釈のひとつであり、それを観客として受け取ることにした(偉そうな書き方だけど・笑)。
    違和感を感じたわけではなく、台詞や演技が染みたのは間違いなのだから。

    初演では、「静」「黒」のイメージで舞台全体が「死の影」に蝕まれていくように感じたのだが、今回は、「生」「色」であり、「動」であって、「死の影」はあるものの、それに抗う人々や、「死の影」が近づいていても「今、生きていること」を大切にしている人(たち)というものを感じた。
    なんとなく、きらきらしているというか、そんな印象。
    五郎の慟哭に似た台詞も、今は「こちら側(生)」にいるから、あがいている、と。

    舞台のセットは前回とどうようで、舞台中央には「砂」が敷き詰められていた。「砂」は、どうあがいてもさらさらと指の間からこぼれ落ちていってしまう「生(命)」や、借金まみれの五郎たちが置かれている、足元の危うさ、足元を取られて歩きにくいという「生活」を見事に表しており、さらに戦争の匂いがかる時代も表していたのではないかと思う。

    役者は、五郎の親友の赤井は、こちらのほうがしっくりきていたように思えた。

    ちなみにこれが初演のときの感想。
    http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=90524#divulge

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    2012/12/13 14:39

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