不思議な『価値』
長い、という感覚と、しかし削るところが無いような…という感覚が入り混じる。
「不必要なこと」はそぎ落とした上でこれなのか、研ぎ澄ましたものに「何かを付着させた」のか分からない。
谷さんくらい分からない。
谷さんも不思議な人だなと思う。
だから作品も不思議なんだろうか。
ほんまに分からない。面白かったんよね。でも分からない。
序盤からあたしと植村さん、力造さんの頭の真後ろでゲラゲラ笑ってたし。
終盤に差し掛かったアレのチャンスで、アクティングゾーンがほの蒼いまま、客席に明かりが差してたら。
あたしは500円玉を差し出して注文しただろうか。
しかたもしれない。
舞台上が完結していたから、500円玉を使わなかったんだろうな。と、思う。
会場を出るとき、「返金屋」のコップに使わなかった500円を入れた。
これが、あたしが感じた舞台の『価値』と言えるのだろうか。