樹海 -SEA of THE TREE- 公演情報 ナッポス・ユナイテッド「樹海 -SEA of THE TREE-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    バランスの取れたブラックコメディ
    死をもくろんで樹海にやってきた男女四人が偶然
    鉢合わせして…で始まるコメディ。

    基本は笑いを取りつつも、たまにジャブ程度の
    黒さも突っ込んできてなかなか見応えのある
    舞台でした。分かりやすさに勝るものなし。

    ネタバレBOX

    木立が絡み合う模様などを表面に模した段組み、緩急を
    付けてくるライティングなど、細かいところでレベルの高さが
    見え隠れする、今回の舞台。

    すっかり落ちぶれた元カリスマ美容師、自意識過剰な故に
    死を選んだフリーター女子、すべてが上手く行き過ぎて
    逆に生きがいを見出せなくなった初老の会社経営者に、
    いつ死んでもいいか、と悟り切った男。

    互いに死を選んで樹海に来た訳を語るも、既に互いに
    出会ってしまったことにより、死への決意は大幅に揺らいで。
    結局、最後は、二度と出られないとされる樹海からの脱出を
    いちかばちか試みることで幕を引きます。

    結局人間が死を選ぶ理由って、「孤独であること」、それに
    尽きるんです。誰にも理解出来ない、理解してもらえない。
    その絶望感が死への引き金なんですよね。だから、一人
    じゃないことを自覚した人間はもはや死なない。

    それにしても、森の狐と狸が、自分たちを森の狭いところに
    押しこめといて、それで死ににここに来るのは余りに身勝手
    過ぎない? と愚痴るのは皮肉が効いている話でしたね。

    役者同士の掛け合いも面白く、特にフリーター女子と、
    カリスマ美容師の、ああいえばこういう式の応酬は
    なかなか面白かったです。息が合っている感じでした。

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    2012/10/13 23:12

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