アシュラ! 公演情報 Attic Theater「アシュラ!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    不気味な異常さと藪の中問題が絡んだストーリーは絶品でした。

    何より、三女の雰囲気が素晴らしかったです!

    ネタバレBOX

    植物状態の次女を長女と三女の生活の場に一緒に置いておくことで、患者に日常の刺激を与えて意識回復を図ろうとする期待はあったのですが、三女の本当の狙いは、助手席で寝込んでいた交通事故の加害者の夫に慰謝料を持参する度に罪の意識を与え続けること、そしてこちらの車を運転していた長女にも罪の意識を持たせ続けることにありました。

    奥多摩に居を構えて大いなる引きこもりを楽しみ、長女を永遠に束縛しようとする三女の様子は尋常ではありませんでした。三女役の米津詩穂さんは、他の女優さんと比較するのも失礼ですが、川添美和さんかと見間違うばかりでした。事故でお腹の子どもを亡くしたことが原因で精神に異常をきたした三女の、笑顔の影の狂気には凄味がありました。素晴らしい出来でした!

    さて、事故の原因は先方の車を運転していた奥さんがメールをいじっていたことによるものとされていましたが、結婚を意識し始めた長女に対する三女の様子や、目を覚まして事故の記憶を思い出した次女の記憶、さらには加害者の夫による自動車メーカーへの調査によって状況が一変してきます。

    ハンドルが突然動かなくなる欠陥車問題が原因かもしれません。唐突に出て来た疑惑ですが、これくらいで止めておけば三女たちにとってはまだ良かったのですが、次女の記憶から長女の脇見運転が原因ではないか、長女の罪悪感や三女の長女に対する態度はそれに由来しているのではないかという疑念が湧き起こりました。

    心象的には長女脇見説がもっともらしく感じましたが、長女は否定しており、証拠もないので全ては藪の中です。

    ところで、対向車線をはみ出していたのがどちらだったのか全く触れられていなかったことは残念でした。警察の結論からすると、対向車線をはみ出したのは先方の車だったのでしょう。そこから考えると、メールをいじっていたとするのはこちらのでっち上げで、ハンドルが動かなくなった欠陥車説が真相かもしれませんね。

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    2012/09/30 05:10

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