ワルツ 公演情報 ペテカン「ワルツ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    本田さんの心優しいウイットが好き
    もう18年も、劇団を存続させていらっしゃるペテカンさん。

    私は、シアタートップスさよなら公演で、お目当ての劇団にさよならして、逆に、その時、このぺテカンさんを見初めた、新米ファンですが、拝見する度、近頃の小劇場の傾向と相反する、劇団の心根を感じて癒されています。

    今回の作品も、小さなオチが幾つも散りばめられているのですが、それがどれも、観客を不快にさせない素敵なオチばかりで、本田さんて、良い人なんだろうなと思わされました。

    昇太さんや松金さんをもっとメーンに据えた芝居なのかと思いきや、いつもどおりのペテカンらしいお芝居で、そういうところにも大変好感が持てました。

    演出が、ややわざとらしく、ギクシャクした感があったけれど、もしかしたら、それさえ本田さんならではのウイットに富んだ演出なのかもしれません。

    ネタバレBOX

    とにかく、いろいろ出来事は起こっても、最終的に悪人が一人も登場しないというのが、大変気持ちの良い終わり方です。

    権ちゃんの亡き妻を演じた羽柴さんの可愛さが光りました。ずっと、夫の妄想の中で、元気に振舞っていた菊ちゃんが、夫が自分の妹を愛し始めたことを知って、ラストワルツを踊る時の涙にグッと来てしまいました。

    妹役の植栗さんもとても魅力的で、素敵でした。ずっと妻を忘れられずに引きこもっていた義兄が、彼女に惹かれて行くのが納得できてしまいます。

    その3人が、繊細に描かれる一方で、他のダンス教室のメンバーは、ややデフォルメされて描かれるのですが、この二刀流の筆捌きが鮮やかで、違和感を感じさせないのが、本田さんのテクニックではと感心しました。

    職人気質と頭を気にする植木屋さんのミスマッチなキャラクターも愉快でした。

    悪い人間で、権ちゃんを騙していたかと思った、濱田さん演じる漫画家が女子校生による冤罪だったというオチや、松金さん演じる老ダンス教師が、元気に、堂島さんとローマの休日を楽しむオチも、最近の小劇場の芝居の流行とは真逆で、観客の予想を良い方に裏切るオチばかりで、気持ちが明るくなりました。

    特に、私が一番嬉しかったのは、植木屋さんに鞍替えしたかに見えた芝居青年の大吾君が、芝居を諦めることなく、20年も劇団を続けているという真相でした。(笑い)

    それにしても、野田さんの次の首相は石原さんというのは、あれは、本田さんの予想なのかしら?あの台詞は、深読みすべきなのかと、変に悩まされてしまいました。

    0

    2012/09/25 20:14

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大